三条市本町2、スナックマンマを経営する五十嵐敏江さん(72)は3日、三条市・千翔で開いた「32周年チャリティパーティー」で、食道がんなど病気と闘いながらも「店の灯は絶対に消さない」と述べ、ことしも来店客が現金をつけたまゆ玉の善意151,210円を三条市に寄付した。
午後6時半に開会したパーティーには、国定勇人三条市長、金子恵美衆議院議員などの来賓、利用客、招待の県央福祉会の運営する障がい者ホームの利用者と職員など、合わせて152人が出席した。
まゆ玉の寄付は、小正月に店内に飾っていたまゆ玉飾りに、五十嵐さんが縁起物だからと数千円を飾ったのがきっかけで、来店客も紙幣や硬貨を枝に下げるのが恒例になった。ことしも長さ150センチ余りの木に、まゆ玉飾りとともに1万円札や千円札などがたっぷりとぶら下がった善意のまゆ玉を、五十嵐さんから中心市街地の活性化に役立ててほしいと国定市長に手渡した。
チャリティーパーティーも毎年恒例。五十嵐さんは2年前の30周年パーティーを前に早期の食道がんが見つかり、パーティー後に手術した。3カ月ほど入院し、退院すると店を再開したが、この日のあいさつでは昨年、乳がんの手術を受けたことも明かした。
毎年、パーティーを続けられることに五十嵐さんは、感謝とありがとうしかなく、継続は力なりで大勢の協力があってこそと、礼を述べた。
まゆ玉については、今は東京にいる孫の土田慎太朗さん(22)の友人が4人ほどで飲みに来てくれて千円ずつつけてくれた「三条にはいい子がいる」とうれしいエピソードを話し、多くの善意が寄せられたまゆ玉を大事に使ってほしいと願った。
今も食事をとることが大変で太れないと病気の経過などを話し、「ことしは何かと思っていたら明日から白内障の手術を受ける」、「来年は何の手術かな〜」などと、五十嵐さんの人柄で会場を笑わせた。「だけど、店だけは絶対、灯は消しません」と力強く言い、日曜祭日は休みだが、平日はことしの大雪の日でも開けたと述べ、本寺小路の活性化のため、ついでがあったら寄ってほしいと来店を呼びかけた。
ことしも五十嵐さんの夫、勝隆さんがステージに呼ばれてあいさつした。勝隆さんは「ひとつ頼みたいのは毎年、必ずこのパーティの前後は(店に)人が全然、来ねんだって、たまに協力してくださいね」と会場をさらに沸かせた。
続いて、来賓のあいさつ、西川哲司さんの歌『三條慕情』、きらきら保育園保育士による太鼓演奏、慎太朗さんや五十嵐さんの長男隆さん夫婦のメッセージも紹介され、乾杯へと移った。