福島から三条市に避難している子どもたちに食べてもらいたいと、三条市江口の農業渡辺幸蔵さん(69)が14日、自身で栽培したコメ「コシヒカリ」計200キロを「こどもの日」のプレゼントとして避難者のための交流ルーム「ひばり」に届けた。
プレゼントの対象は、三条市で生まれた2人を含む未成年の約30人。5kg入りのコシヒカリ40袋を用意し、1人に1袋を贈る。
渡辺さんは福島から避難している人に2014年2月からプレゼントを贈っている。渡辺さんが住む地域は、11年7月の7.29水害で五十嵐川の堤防が決壊し、大きな被害を受けた。
自宅は無事だったが、サツマイモ畑は土砂で流されるなど被害を受けた。当時、「全国から支援を受けたそのお返しと感謝の気持ち」、「無理をしないで細く、長く続けたい」と申し出て以来、支援を続けている。
正月や「敬老の日」にあわせてコメや野菜を贈り、自分の畑に招いてイチゴ狩りやサツマイモ掘りも楽しんでもらったこともある。
渡辺さんは、「現物支給で申し訳ないんだけど、喜んでもらえるのが楽しみで」と笑う。子どもたちには、「いっぺ食べてさ、元気になってもらいたい」、「くよくよしないでほしい、もう三条っ子らもん」と、元気な成長を願う。
善意のコメを預かった「ひばり」の佐竹紀代表は、「本当にありがたい」と何度も礼を述べた。避難している人たちには、避難者応援情報紙「浜通り×さんじょうライフ」などで案内し、4月21日から届ける。