加茂市が県央医師会応急診療所(三条市興野1)の負担に応じないという報道を受けた加茂市民2人が、運営に役立ててほしいとそれぞれ加茂医師会を通じて県央医師会応急診療所に寄付をした。
寄付をしたのは、加茂市の50歳代女性と50歳代の会社経営者の男性。女性は、3月10日に加茂市医師会を訪れ、「加茂市が負担に応じないことは恥ずかしく思っている」、「自分自身も応急診療所を利用しており、加茂病院が新しくなっても利用したい。わずかだが気持ちを表したい」と3,000円を届けた。
男性は、4月11日に土田清加茂市医師会長のもとを訪れ、「わたしも世話になっているし、(新聞報道で知った)50歳代女性と同じ思いで寄付を持ってきた」と1万円の寄付を預けた。
15日午後6時半に加茂市医師会の土田会長が県央医師会応急診療所を訪れ、県央医師会応急診療所所長の水野春芳三条市医師会会長に「思いが通じることを願っている」という2人の加茂市民の言葉を伝え、善意を手渡し、「ありがたくお心をちょうだいいたします」と水野所長は礼を述べた。
星野会長は、「応急診療所は4つの医師会で運営しており、われわれの立場では、各市町村には協力をお願いすることしかできない」として、加茂市民が自発的に寄付をしてくれたことは「ありがたいこと」と感謝した。
また、県央医師会応急診療所には「加茂市民だが利用できるでしょうか」との問い合わせもあるという。水野所長は、「運営は4医師会ですので、もちろん加茂の先生方も応援していただいております。加茂市民の方に利用していただいて、なんら問題はありません」。さらに、行政の問題で市民が気を遣うところがあったのではとして、思いをくんでいただけたらとも話した。
県央医師会応急診療所は、施設整備費用は三条、燕、田上、弥彦の4市町村が負担し、県央地域の三条市医師会、燕市医師会、加茂市医師会、見附市南蒲原郡医師会の4医師会が運営する。
平成27年度受診者の市町村別の構成比は、多い順に三条市57.3%(10,104人)、燕市21.9%(3,852人)、加茂市7.3%(1,290人)で、加茂市は3番目に多い。次いで新潟市3.9%(695人)、田上町2.5%(438人)、県外2.2%(381人)、長岡市1.7%(294人)、見附市1.6%(281人)、弥彦村1.0%(173人)、県内ほか0.7%(116人)となっているが、だれでも利用できる。