三条市栄地区出身の青年が、生まれ育った地域の人たちに生の演奏を楽しんでほしいと企画したクラシックコンサート「春の贈り物〜若き演奏家を招いて〜」が22日、三条市新堀、なかじま医院で開かれ、地域の人や同級生など約100人が来場し、バイオリンやピアノの演奏を楽しんだ。
企画したのは、自らもピアノと歌を披露した旧栄町の三条市福島新田出身で東京在住の会社員渡辺恭平さん(25)。出演は、新潟大学時代の後輩で多数の音楽コンクールで入賞経験を重ねる音楽仲間で、ソプラノの桑野彩さん=新潟市出身=、ピアノの西田遼太郎さん=山形県出身=、バイオリンの野口万佑花さん=長野県出身=。スペシャルゲストとして渡辺さんと小学校から大学まで一緒だったフルートの山口真央さん=三条市出身=の5人。
第1部は、ベートーベンやショパンなどのクラシック、第2部では映画音楽やテレビ番組のオープニングテーマ曲など親しみやすい曲で構成。ピアノと桑野さんのソプラノ、渡辺さんと西田さんのピアノの連弾、ピアノと野口さんのバイオリン、渡辺さんと桑野さんのデュエット、ピアノとバイオリンとフルートの演奏など、さまざまスタイルの演奏を披露した。
会場は、グランドピアノを常設している、なかじま医院の待合室。地域の人をはじめ、市内外から駆け付けた渡辺さんの知人などさまざまな人たちで埋まり、入りきれない人は玄関や診察室付近で立ち見する大入りだった。
出演メンバーの紹介、曲や楽器などを渡辺さんがわかりやすくユーモラスに紹介し、終始、和やかな雰囲気のなか、観客は目の前で行われるピアノやバイオリン、ソプラノの演奏とその音色に引き込まれた。
美しいドレスで登場した桑野さんや野口さんには「わー」とため息がもれ、ソプラノの歌声を聴いたとたんに「すごーい」と口にする人もいた。
身を乗り出して聴いていた4歳の女の子は、「楽しい。歌が上手」と、曲が終わると一番に拍手した。渡辺さんの高校時代の同級生は、高校時代はバレーボール部だったという渡辺さんの演奏を初めて聞き「すごいですね」、「バイオリンとかも(演奏を聞いたのは)初めて」と楽しんでいた。
コンサート終了後、来場者を見送った渡辺さんは、「最高でしたね」と話し、「(客席で)恩師の泣かれている姿を見て、もらい泣きしました」とも。来場者からは「素晴らしかったよ、2回目はいつ?」との声もかかっていた。