加茂川の河川改修を記念して40年ほど前に加茂市黒水地区の加茂川左岸に植えられたサクラの並木が巨木に育っている。日曜の23日には満開から散り始めとなり、地元自治会の花見会が開かれた。ただ、この見事なサクラ並木の花見を楽しめるは、ことしが最後となりそうだ。
まるやま公園から下流側へ300メートル余りにわたってサクラが連なる。切り株を見ると当初、10メートルほどの間隔で約30本のサクラが植えられたようだ。そのうち4分1ほどは切り株が残るだけになっているが、それでも目を見張る見事な咲きっぷりだ。
堤防のすぐ脇に住宅が連なる。サクラが大きくなって住宅にまで枝を広げるため、これまでも枝を落としている。そればかりか、住宅の下にまで根を広げ、排水溝を持ち上げたり、住宅の土台にも影響が出始めていることから、伐採を求める声が強まっている。地元の人によると、伐採は決定ではないが、ことしは多くのサクラが伐採される見通しと言う。
23日はサクラ並木のある黒水中区と黒水南区の自治会がサクラの下でそれぞれ恒例の花見会を開いた。黒水中区の花見会には40人ほどが参加。「角栄さんのときに河川改修してもらった記念のサクラ」、「地域で守ってきたサクラなんだ」と伐採を惜しみながら酒を酌み交わしていた。