新潟地方裁判所三条支部で16日、三条市の商業施設「パルム」を運営していた三条昭栄開発株式会社の株主の男性が、同社代表取締役の国定勇人三条市長を相手取り、同社事務所の売却に関連して同社に損害を与えたとして損害賠償責任を求めている株主代表訴訟事件で、国定市長の証人尋問が行われた。
パルムマンション棟のパルム2の2階にあった三条昭栄開発の事務所の売却に関連しては、2010年8月に東京都の個人2人に売却したのち、同社が清算のための業務などを行うためとして賃貸料を支払って賃貸しており、賃貸した約2年間の賃貸料が売却した価格を上回っているとして、会社に損害を与えるものだったとして、賃貸料分の返還を求めている。
裁判では、事務所の売却と同時に賃貸契約を結ぶべきだったのか、賃貸料が高すぎたのではないか、賃貸契約をもっと早くやめられなかったのかの3点が主な争点となっている。
午後2時に開廷し、一礼して法廷に入った国定市長は、裁判官正面にある証言台の前に立ち、真実を述べると宣誓書を朗読。着席して証人の代理人弁護士の尋問、続いて原告の代理人弁護士の尋問、最後に裁判官からの尋問を受け、約1時間半、証言を行った。
国定市長は、おおむね落ち着いたよすうだったが、原告側弁護士からは何度も「一問一答で」、「イエスかノーかで答えてください」と言われるなど、質問と答えがかみ合わず、互いに言葉のトーンが強まる場面もあった。また、裁判中に傍聴席での不規則発言により2人が裁判官から退廷を命ぜられた。次回は8月18日で、結審の予定。
この日の傍聴について、同裁判所では32の傍聴席の傍聴券の配布を決め、午後2時の口頭弁論を前に、1時10分まで傍聴券の受け付けを行ったところ、5人超過の37人が受け付けたため、抽選で傍聴者を決めた。
抽選の受付では、一人ひとりに番号のついた紙製のリストバンドを左手につけてもらい、裁判所が抽選して32の番号を選び、そのリストバンドと交換で厚紙にはんこを押した「傍聴券」を手渡した。