長岡市与板の「楽山苑(らくざんえん)」で、ことしも庭園内のツツジの開花期にあわせて12日から21日までライトアップをはじめ庭園の雰囲気を生かした趣向を凝らしたイベントが行われている。
楽山苑は、江戸時代屈指の豪商だった大坂屋三輪家11代当主三輪潤太郎の別荘として建てられた「楽山亭」を中心に山の斜面を生かしてつくられた庭園。ライトアップを始めてことしで22年になり、ボランティアでつくる「よいた楽山苑ライトアップ事業運営委員会」(風間清文実行委員長・登録約40人)がイベントを運営してる。
ライトアップは照明装置のほかに通路には150本以上ものタケとうろうをともしている。楽山苑の中心建物の「楽山亭」は1892年(明治25)の建築で、簡素ななかにもきめ細やかな仕掛けと匠の技が凝らされている。
ほかにも親交の深かった良寛の歌碑が2基建立され、今は北方文化博物館に移築された茶室を復元した「積翠菴」、さらに観音堂には室町時代の作と伝わる十一面観音菩薩像が安置されている。
イベントではツツジの花を期待して訪れる人が多いが、石組みを楽しむのが本来の姿ということで、正面のツツジを刈り込んだ。以前より花は少ないが、また違った楽山苑の魅力を見せてくれている。JR燕三条駅から車で30分のこともあり、県央地域から出向く人も多い。
週末のイベントは、20日(土)は地元の与板石州会が茶席を設け、会場により楽山亭200円、積翠庵500円の茶席券を午後5時40分から販売。午後7時から8時まで楽山苑前特設ステージで琴と尺八の演奏会、まちの駅よいた前ひろばに日本茶喫茶コーナーを開設する。
21日(日)は午前10時から正午まで正徳館高校茶道部による「抹茶のおもてなし」、午後2時から3時半まで新潟市美術館学芸員の藤井素彦氏を講師に特別講演会「楽山苑ゆかりの画家たち」が開かれる。
また、20、21日は、楽山亭まちの駅よいたで前週末に続いて「三輪家親子絵画展〜三輪晃久氏、長女 純子氏、次女 時子氏〜」が開催。与板町アーケードでは、長岡高校、大手高校、向陵高校、中越高校の各書道部の制作、協力による絵灯籠展示も行われている。問い合わせは与板観光案内所(電話:0258-72-4161)へ。