15日に三条市で行われた三条祭りで、大名行列の前を練り歩く子ども御輿(みこし)に唯一、地元の裏館小学校が参加。3月に閉校して裏館小学校に統合された三条小学校の伝統を引き継ぎ、6年生が笛と太鼓で「しゃぎり」を演奏し、4年生が製作した傘鉾(かさぼこ)人形を披露した。
子ども御輿は昨年まで、裏館小学校、三条小学校、一ノ木戸小学校の林町自治会の3校が参加し、児童がそれぞれの御輿をかついで大名行列の通る大通りを練り歩いていた。ことしは、三条小は閉校して裏館小に統合したことで無くなり、一ノ木戸小が参加しなかったことから、裏館小1校となった。
昨年まで三条小は傘鉾人形を作り、笛と太鼓の囃子「しゃぎり」で参加し、裏館小は子ども御輿で参加した。ことしは、裏館小の4年生44人が傘鉾を作り、6年生88人がしゃぎりに挑戦した。
準備は、新年度が始まった4月途中から1カ月をかけ、総合的な学習として地域の人の指導を受け、児童たちは一生懸命に取り組んだ。
しゃぎりは、統合前の裏館小児童にとってはまったく初めての取り組みだ。音を出すところからのスタートで、地域の人や三条小で経験している児童の指導で練習を重ねた。
傘鉾人形も三条小時代から指導にあたっていた地域の3人が作り方を指南し、4年生3クラスが各クラス1基を作った。児童一人ひとりが作りたい傘鉾人形のアイデアを絵に書き、それをもとにクラス全員で話し合って、テーマやデザインを決めた。
指導者が描いた原寸大のラフスケッチに基づいて本家の三条祭りの傘鉾と同じくざるやスリッパなど家庭日用品の材料も選定し、たくさんのアイデアと楽しさを盛り込んだ傘鉾を完成させた。
3基の傘鉾人形のタイトルは、「わたしたちのキラキラドリームロード」、「平和でめで鯛」、「夢に向かってはばたこう」。当日は、地域の人や教諭、保護者らが三条小グラウンドで人形を赤い傘や台車の上に乗せる組立作業を行って、児童に引き渡した。
15日は、紺色の裏館小とオレンジ色の三条小の両方のはっぴを着た児童と教諭総勢130人以上の大編成で、6年生のしゃぎり、4年生の傘鉾が続いた。大名行列を先導するように、堂々と進む児童たちに、沿道の観客は感心し、目を細めていた。