肉の塊をサーベルに刺してワイルドにバーベキューを楽しめる、遊び心にもあふれた「ローストスタンド」が24日、金物卸業株式会社山谷産業(山谷武範社長・三条市北入蔵2)の新ブランド「TSBBQ」から発売される。
サーベルのほかにステンレススタンドやバウムクーヘンを焼くための木製棒、キャリングケースなども付いて税別9,800円。肉をまんべんなく焼くには、肉を回転させながら焼く必要があるが、サーベルでうまく肉の重心を貫かないと、重い部分が常に下になってしまう。
そこで、サーベルの柄を六角形にしたのがポイント。スタンドにはめ込んで60度ずつ回転させて焼けばいい。サーベルを固定させる仕組みを複雑にせず、いたってシンプルな発想で解決した。柄には抗菌炭化木を使った。
大型連休中に工場見学などのイベントを行った三条市の「庖丁工房タダフサ」で、ローストスタンドのデモンストレーションを行った。ローストスタンドでその場で調理したローストビーフやバウムクーヘンを来場者に振る舞い、大好評だった。
開発の始まりは、山谷産業のオンラインショッピングサイト「村の鍛冶屋」のツイッターアカウントへのツイート。肉を回して焼く道具はできないかという問い合わせだった。
昨年、三条市が行った商品開発プロデューサーを育成するプロジェクト「コト・ミチ人材育成事業」に山谷社長が参加。そこで新潟市のデザイン事務所、株式会社フレームの代表取締役で三条市出身のアートディレクター石川竜太さんと組んでローストスタンドを考案。プレゼンテーションを行ってMVPを受け、講師を務めた中川政七商店のバックアップも受けられることになった。
新潟市の株式会社タンジェントデザインの高橋悠代表取締役にプロダクトデザインを依頼。テレビゲーム「モンスターハンター」からイメージを膨らませ、かっこいいものにしようということで3人の意見が一致し、試作を重ねて完成させ、石川さんとともに燕三条のバーベキュー用品ブランド「TSBBQ」を立ち上げ、その第1弾として発売する。「TSBBQ」は「Try ! Stylish BBQ!」のこと。
このあと第2弾で10月にホットンサンドメーカー、12月ころにステンレスにホーローを施したマグカップの発売を計画している。山谷社長は「TSBBQシリーズで5年後に年商10億円を目指す」と力を込め、「じっくり時間をかけてブロック肉を焼いたり、バウムクーヘンを焼いたり、日常にはない非現実的な時間を自宅で手軽に味わってほしい」と話している。問い合わせは山谷産業(電話:0256-38-5635、メール:tsbbq@yamac.co.jp)へ。