昨年4月の熊本地震で大きな被害を受けた熊本県南阿蘇村の吉良清一村長は、被災地支援に職員を派遣してくれた全国の自治体を訪問して感謝の気持ちを伝えており、25日は燕市を訪れた。
職員を派遣したすべての自治体はとても回り切れないため、日ごとの述べ人数で6、70人以上の派遣した自治体にしぼって訪問ししており、24日に石川県金沢市と新潟県糸魚川市、25日は十日町市、燕市、村上市、新潟県の順に訪問した。
燕市は9人の職員を交代で南阿蘇村に派遣し、避難所支援班やボランティア班で任務に当たった。
訪問は、ことし2月26日の村長選で現職を破って初当選した吉良村長と浅尾鎮也総務課長の2人で訪れ、鈴木力市長をはじめ南阿蘇村に派遣された燕市職員も同席して懇談。吉良村長らは南阿蘇村の復興状況などについて話した。
熊本県知事が創造的復興を掲げて地震の前よりも良くなるように取り組んでいる、南阿蘇村への海外からの観光客も増えている、南阿蘇鉄道が人気を集めている、まだ仮設住宅が多くある、3村合併で震災直後は3つの庁舎で村内放送やLINEで連絡を取っていたが3月に統合した新庁舎が完成したことなどを話した。
吉良村長は「あの混乱時期に村の職員だけでは到底、対応できなかった。遠い所から来て助けていただいた。それぞれの自治体で貴重な人たちを出すのも大変だったと思う。だんだん村も落ち着いてあと1年もすればかなりの復旧ができる」と話していた。
浅尾総務課長は自治体の訪問について「これから復興が本格化するなかで絶対的にまだまだ職員のマンパワーが不足している。まずお礼を申し述べて、その後、良ければ応援をいただければ」とほかの自治体からの支援にも期待した。
また、4月15日に南阿蘇村立長陽西部小学校跡で行われた熊本地震から1周年のイベント「SONG OF THE EARTH -KUMAMOTO-」で、出演アーティストのCandle JUNEさんと親しい大工の斉藤巧さん(40)=三条市島潟=は現地で会場設営を手伝った。
東京の関係者なども拾って4人で車で出向き、4泊5日の強行軍。南阿蘇村でのイベント装飾のほか、熊本城で行われたイベントも手伝った。斉藤さんは「現地の復興はまだまだ。南阿蘇村の山の上はがれきもつぶれた家もそのままで、1年たたっても全然、変わっていない。熊本地震の印象も薄れているので、復興の道は遠いことを伝えられたらと思う」と話している。