24、25日と燕市吉田下町、吉田天満宮の大祭が行われており、ことしも本町通りから学校町通りにかけて196の露店が並び、宵宮の24日は夜になって小雨がぱらついたものの傘が必要なほどでなく、夜遅くまでにぎわった。
吉田天満宮は、燕市吉田地域の大地主だった今井家の当主が、江戸中期に西川に流れてきた天神像を拾って遊んでいるのを見て、これを譲り受けて屋敷内に祭ったのが始まりとされる。しかし、神様を同じ屋敷内に祭るのは恐れ多いと移したのが、今の吉田天満宮になった。
出世天神と称して祈願すると立身出世すると言われ、祈願の記念に祭りで植木を買うと成木になるころに願いが成就するとされた。そのため祭りには植木を売る店が多く並び、「吉田の植木祭り」とも呼ばれた。
菅原道真は6月25日に生まれ、2月25日に死んだことから、25日は「天神さんの日」の縁日でもあるからか、祭りは毎年5月24日を宵宮、25日を本祭として行っている。
吉田天満宮奉賛会(会長・美内信孝吉田商工会会頭)が主催し、24日は午後6時半から道真像を安置する拝殿と奥の本殿で宵宮祭の神事を行い、続いて境内のステージで燕市文化協会芸能部吉田支部がカラオケ演芸大会を行った。拝殿は参拝者が列をつくった。
神事以外の伝統的な行事はなく、小さな祭りだが露店はやたら多い。昨年は205店が出店し、数日前に行われた燕市宮町、戸隠神社の春祭りに出店した露店の2倍以上。吉田天満宮まで歩ける距離のJR吉田駅は越後線と弥彦線が通過するため、地元吉田高校のほかに近隣から電車に乗って訪れる高校生も多く、親子連れより子どもだけで訪れてる割合が圧倒的に多いのも特徴だ。
露店が多いからといってそれほど露店のバリエーションが増えるわけではないが、見物する行事はなく、友だちと露店をめぐり、歩道に尻をつくなどして露店で買ったものを飲み食いして祭りの夜を過ごしていた。