鈴木力燕市長は30日、定例記者会見を行い、県内で初めてとなる弾道ミサイルを想定した住民避難訓練の実施、東京五輪キャンプ誘致ガイド完成など13項目を発表した。
弾道ミサイルを想定した住民避難訓練は、国の主導で全国の都道府県で実施しており、内閣官房、消防庁、県、燕市の共催で6月12日午前10時から10時半ころまで燕市渡部地区で行う。
主要な訓練は、防災行政無線による住民への情報伝達と燕市渡部地区での住民避難。燕市の訓練と同時に、国からのエムネットによる情報伝達を受け、県と県内全市町村との情報伝達訓練を実施する。
渡部地区は原子力発電所から30キロ圏内の「UPZ」にあり、昨年12月に燕市は渡部地区で原子力災害を想定した避難訓練を実施した。内容は屋内待避が中心で、弾道ミサイルを想定した住民避難訓練でも同様に屋内待避が中心になることから渡部地区での実施を地元に打診したところ、ぜひ渡部地区でと快諾を得た。
訓練の詳細はこれからだが、渡部地区の住民70世帯の215人のうち、100人が参加。情報伝達訓練、住民避難訓練のあと渡部集会所に集まって反省かなどを開く形になるようだ。
鈴木市長は弾道ミサイルを想定した住民避難訓練の意義について「ミサイルに対する避難の知識がなく、対応をこれを機会に学び、やったことを燕市内のほかの防災の講座で伝えていくことができる」「適正な避難行動の知見を得るいい機会」、「市民に普及、周知していくことになるのでは」と話した。
東京五輪キャンプ誘致ガイドは、A4判12ページのフルカラー印刷で日本語、英語、仏語の3カ国語版を各100部、作成。アーチェリー競技を対象としたパンフレットで燕市のサポート体制の概要、施設概要、宿泊施設案内を収録している。
燕市は昨年、東京五輪・パラリンピックのホストタウン構想に登録し、モンゴル国パラアーチェリー競技のキャンプ地の誘致に成功しているが、引き続き五輪でのキャンプ誘致にも取り組もうと、そのツールとしてガイドを作成。全日本アーチェリー連盟、アーチェリー強豪国の在日大使館などに配布する。
すでにモンゴル国パラアーチェリー競技のキャンプ地の誘致の実績あることから、五輪でもアーチェリー競技の誘致を図るが、それ以外の競技でも呼びかけがあれば拒否はしないと鈴木市長は話した。
また、燕市と三条市の合併についての質問に鈴木市長は「将来的な可能性は否定しない」が、「ただちにわたしが合併に向けて行動をとるということは考えていない」。背景として住民投票で燕市は合併反対が多数になったことや、その後に燕市は吉田町、分水町と合併して新しい燕市として一体感を醸成しているとした。
一方で「三条と連携しながらやっていかなければならない」し、現状にはものづくりでも「不足ということは感じていない」、それ以外の分野でも「ただちに一緒にやらなければ不都合ということはない」。三条との連携には「燕三条地場産業振興センターのプラットフォームがあるので、そこを活用してやっていけばいい」と現状に満足している考えを示した。発表項目は次の通り。