三条市江口、農業渡辺幸蔵さんが11日、福島県から三条市に避難している親子を畑に招いてイチゴ狩りを楽しんでもらった。
渡辺さんは福島から避難している人に2014年2月から野菜やコメなど、正月や子どもの日などにプレゼントをしたり、サツマイモ掘りなどに招いたりしている。
三条市下田地区の渡辺さんが住む地域は、2011年の7.29水害で五十嵐川の堤防の決壊で大きな被害を受けた。自宅は無事だったが、畑が土砂で流されるなど被害を受けた。当時、全国から支援を受けたお返しと感謝の気持ちから、「無理をしないで細く、長く続けたい」と支援を続けている。
イチゴ狩りは昨年に続いて2回目。福島から避難している親子に呼びかけ、5家族の15人が参加。午前9時に渡辺さんの奥さんが栽培するイチゴ畑に集合し、自由に収穫してもらった。
渡辺さんは、「赤いの取るんだよ。どれとってもいいよ〜」、「みんな取っていいからね」と声をかけ、子どもたちは中腰になって、真っ赤になったイチゴを選んで摘みとり、次々とかごに入れた。
「こんな大きいのあったよ」と見せたり、ときどき味見をして「おいし〜い」と、スーパーには並ばない完熟のイチゴを味わった。渡辺さん夫婦は、子どもたちのうれしそうな声を聞いて「作る張りあいがあるわ。また来年も来てね」と目を細めていた。