三条市は10日、東日本大震災被災者の一時帰宅を支援する日帰りのバスを運行。同行してボランティア活動を行う29人が同乗し、福島県南相馬市小高区の要望のあった3軒で作業を行った。
一時帰宅支援のボランティアは、三条市社会福祉協議会が募集した日帰りの活動で、2013年から年に2回実施し、9回目。参加者は、リピーターも多く、今回は初めての5人を含む男性24人と女性5人の29人。年代別では40代2人、50代4人、60代14人、70代9人、居住地は三条市25人、燕市2人、見附市と長岡市から1人ずつ。
一時帰宅者4世帯5人とともに午前4時に三条市総合福祉センターをバスで出発。9時に南相馬市に到着し、要望のあった3軒に分かれて、樹木の剪定(せんてい)や草刈り、ごみの整理などを行った。
今回は、初めて現地のボランティアセンターを通さず、三条市に避難している帰還予定者の家に直行。何度も参加した人が多かったので作業効率もよかった。作業は予定より早く終わり、帰路は予定より1時間ほど早く午後3時に南相馬市を出発し、8時ころ三条市に到着した。
今回が5回目の参加だった三条市の会社員高橋茂さん(61)は、昨年7月に同地区の避難指示が解除してからまもない秋も参加した。それから半年余りたっての再訪で、「人の感じがした」、「少しづつ復興していると感じた」と言う。
小高区の作業をした場所で、道路ですれ違うということはなかったが、新しい家を建てていたり、人の声が聞こえ、以前のようにひっそりという感じではなかった。ただ、そこから5キロほどのところでは、まだ戻れない。津波の被害がそのままの場所もあったと言い、「先の長い話だと思っています」と話していた。