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新潟県燕市の吉田地区のご当地グルメといえば、給食の献立で人気を集めた「鶏肉のレモン和え」。鶏肉のから揚げに甘いタレをからめ、レモンとパセリが香って食欲をそそり、吉田地区を訪れたらはずせない一品だ。
“中国料理「翔龍」の鶏肉のレモン和え”
中国料理「翔龍」(佐藤尚哉店主・燕市吉田神田町)は、近所の借家で営んでいた中国料理「旬亭」をたたんで2008年11月に新たにオープンした。5、6年前から夜のメニューとして鶏肉のレモン和えを加えた。700円。地元吉田地区の出身のアルバイトから提案があり、客から鶏肉のレモン和えがないかと聞かれることもあったのがきっかけだった。
調理は、しっかり鶏肉のから揚げを作ってからレモン和えにする。酒のつまみになるので、「カリッとした感じを残しながら、酸味を強くしている」と店主の佐藤尚哉さん(42)。ベースのから揚げは650円で、それより50円高くなるが、注文は鶏肉のレモン和えの方が何倍も多く、人気メニューと言う。
佐藤さんも給食の鳥肉のレモン和えは「好きでした」。客からは「懐かしさもあるし、店で食べられるのが好評なんでしょうか」と分析する。今はローテーションでランチメニューに鶏肉のレモン和えはないが、以前はランチメニューにしたこともある。
“信田精肉店の鶏肉のレモン和え”
1958年開業の信田精肉店(信田誠店主・燕市吉田)は、上町の商店街で営業していたが、店舗も駐車場も手狭なことから2011年12月に今の場所に移転した。移転から間もなく鶏肉のレモン和えを始めた。1パック約100グラムで330円。たれが下に沈んでしまわないように、とろみを強くしている。
消防署から夕ご飯のおかずに鳥肉のレモン和えがないかと聞かれることがあった。居酒屋でも鶏肉のレモン和えの要望が多いとも聞き、新メニューにした。日によって売れたり売れなかったりで、ならせば1日に10パック近くを販売するが、まとめて1,500円分といった注文もある。
ただ、鶏肉のから揚げは、注文を受けてから揚げて、揚げたてを提供しているため、注文は鶏肉のレモン和えより、から揚げの方がずっと多い。3代目の信田謙一郎店長(30)は「テレビで鶏肉のレモン和えが紹介されると、それを見て買い物に来る人もいます」と言う。
“なぜ鶏肉のレモン和えがソウルフードに”
1981年、三条共同調理場から吉田地区の吉田中学校へ異動した栄養士が、三条市の給食で好評だった「鶏肉のレモン和え」を献立に盛り込んだ。その献立を子どもたちが喜んでいると聞いて吉田給食センターと吉田町立保育所も献立に取り入れた。
その後、吉田給食センターの栄養士が弥彦小学校へ異動し、弥彦村でも献立に盛り込んだところ好評で、吉田・弥彦地域で鶏肉のレモン和えの献立が根付いたと言う。近年、吉田地区の吉田商工会青年部が鶏肉のレモン和えをの販売で各種のイベントに出店し、ソウルフードとして積極的にPRを展開している。
おかげで鶏肉のレモン和えを提供する精肉店や居酒屋が年々、増えている。青年部は昨年暮れに鶏肉のレモン和えの提供店をまとめた「燕市吉田のとりにくにレモンあえマップ」を作成したが、収録した提供店は24店にものぼり、想像以上に提供店が増えていることに関係者も驚かされた。
今も燕市の学校給食の献立に年に2、3回、鶏肉のレモン和えが出る。提供回数は少ないが、吉田地区に学校給食を届ける西部学校給食センターに張り出された小学生の給食人気ベスト3では、第1位のカレーライスに次いで鶏肉のレモン和えが堂々の第2位に輝いている。
“学校給食の鶏肉のレモン和えを再現”
吉田地区の提供店はそれぞれに調理方法を工夫しているので、給食の鶏肉のレモン和えとは、かなり味も見た目も違う。そこで吉田地区に生まれ育った燕市職員が、西部学校給食センターからもらったレシピをもらって昔ながらの鶏肉のレモン和えを再現した。
オリジナルのレシピは、から揚げに下味をつけず、レモンを皮のままパセリと一緒にミキサーにかけて使うのがポイント。当の職員は昔の味を再現できたと大満足で、懐かしさ抜きでも十分においしかった。
中国料理「翔龍」
住所/〒959-0041 新潟県燕市吉田神田町14-8
電話/0256-93-5546
※夜は平日が午後5時半から11時まで、日・祝日は午後10時まで営業、定休日は月曜。
信田精肉店
住所/〒959-0264 新潟県燕市吉田7452
電話/0256-93-2608
※午前9時から午後7時まで営業、定休日は月曜。