県内有数のウメの産地、田上町で21日、果肉部が多くて皮が薄く梅干しにも適したウメ「越の梅(こしのうめ)」の出荷が始まった。ことしの品質は良好で、梅雨入りと同時の収穫となった。
「越の梅」は、種が小さくて果肉部が多く、皮が薄く、色づきがいいといった特徴がある。田上地区では、約30軒の生産者が計約7ヘクタールで栽培している。
ことし1月半ばの湿った雪で、枝が折れたり、幹が裂けたりする被害があった。春先の花の咲くころは天候もよく、順調に生育した。例年より小粒傾向だが、実のつき方は良く、収穫量は例年並み。収穫は10日ほど続き、6月末までに終わるとみられ、同地区全体の出荷量は、例年並みの約50トンを見込む。
21日は雨が降るなか、田上町梅生産組合の小柳松栄組合長も朝から収穫作業を行った。まだ緑色の青梅の状態で収穫る。枝に連なる青梅を両手を使って手際よくもぎ取り、肩から下げた「ぽて」と呼ぶかごに入れていった。
収穫したウメは、自宅の選果機にかけてSから3Lのサイズに分けて箱に入れ、この日のうちにJAにいがた南蒲田上カントリーエレベーター=田上町原ケ先新田=に搬入した。
田上のウメは県内市場、酒造会社、漬物業者、JAにいがた南蒲加工センターに出荷され、すべて県内で消費される。同JA加工センターでは、梅干し、ウメジャム、梅肉ペースト、ウメジュースに加工して販売する。