長岡市与板町与板乙、浄土真宗本願寺派(西本願寺)本願寺新潟別院(藤田信証輪番)で25日から27日までの3日間、宗祖親鸞聖人の遺徳をしのぶ御取越報恩講(おとりこしほうおんこう)を行っている。
新潟別院は約170年前に当時の与板藩主、井伊右京亮直経の発願で本山に御坊建立の願いが提出されたのに始まり、1870年(明治3)に旧与板別院の本堂が完成。1997年(平成9)に旧三条別院と合併し、新潟別院となった。
旧三条別院には三条鍛冶道場が建設された。合併前、旧三条別院は“西別院”、真宗大谷派三条別院は“東別院”と呼ばれて三条市民に親しまれていた。合併を機に2000年(平成12)から3年計画で新たな本堂と庫裏(くり)が完成した。
報恩講は、晨朝(じんじょう)、日中、逮夜、初夜の日に4度のお勤めがあり、25日の日中から27日の日中まで行われている。30年ほど前は5日間に渡って行い、参拝者は1万人を超えたと言う。
それと比べると今は3日間に短縮され、参拝者が減っている。初日25日は雨降りで人出も少なかったが、26日は肌寒かったものの晴れて夜は参拝者に切れ目がなかった。読経が続く本堂に入ってすぐのさい銭箱に浄財を投じ、手を合わせていた。
露店は参道から旧黒川をまたぐ別院橋を超えて市街地の大通りの商店街にまで連なり、数十店にのぼる。商店街は通行止めにせず、露店は車道に背中を向けて歩道内に立つユニークな形式を取る。露店はほとんどは26日夜までで店をたたんだようだ。
“東別院”の報恩講は、かつては苗木を売る植木店が多く並ぶのが特徴だった。与板の新潟別院ではかつて陶器を売る店が多かったが、ことしは1店だけにとどまり、露店にも時代の変遷があらわれていた。