新潟市の河口に近い信濃川やすらぎ堤に民間の店舗が出店するプロジェクト「ミズベリング信濃川やすらぎ堤」が7月1日オープンするのを前に6月30日、オープニングセレモニーが行われた。
昨年に続く取り組みで、八千代橋-萬代橋間で右岸側の食事やだんらんを楽しむエリアに13店、左岸側の市民の健康をサポートするエリアに1店の昨年より3店多い14店が出店。ハワイ料理、ハンバーガー、スイーツ、ジェラート、ビアガーデンなどを提供する。
今年度はさらなるにぎわいの創出をと、マネジメントする事業者を公募型プロポーザルで募集し、5社の応募のなかからアウトドア用品メーカーのスノーピーク(山井太社長・本社:三条市中野原)を選定。飲食スペースのテントやタープ、チェアはスノーピーク製で統一。世界的建築家の隈研吾氏とスノーピークがコラボレーションしたモバイルハウス「住箱」2棟を設置し、有料で個室として利用できる。
各店が営業しているというより、場所としてアピールしようと、原則として支払いに現金は使えず、本部や各店で100円単位でチャージできる専用のプリペイドカードか、スマホのアプリを使う仕組みにして一体感を生み出す。昨年は期間中に3万人の利用があったが、それを上回る実績を目指す。
30日のオープニングセレモニーはあいにくの雨で、会場をやすらぎ堤から近くの新潟総合テレビに移して午後5時から行った。ミズベリングやすらぎ堤研究会の鈴木寿行代表はあいさつで、やすらぎ堤で萬代橋サンセットカフェを始めて10年になるが、始める前に信濃川健康ウォークの企画でスノーピークの山井社長にやすらぎ堤でスノーピークのテントが張れたらいい、一緒に何かやろうと提案したことを紹介し、「10年たって形は少し変わったが、それが実現して感慨深いものがある」と話した。
スノーピークの渡邊美栄子代表取締役専務は、記者会見で山井社長が新潟市へ何か貢献できないかという思いがあると話したことにふれ、「その思いもひとつの通過点ではあるが結実したのかと思う」と喜んだ。
来賓の新潟市の篠田昭市長は、山井社長の妻と同窓であることを紹介。来年7月から新潟開港150周年事業がキックオフし、2018年は新潟市、佐渡市、聖籠町で「海フェスタ」の開催が決まり、2019年1月1日が開港記念日、その年の10月から12月まで新潟でJR東日本のデスティネーションキャンペーン、そして2020年の東京五輪・パラリンピックと続いて新潟はいい流れにあり、「ことしの夏を最大限、皆さまから盛り上げていただき、新潟の魅力を知っていただく、そんなミズベリングにしていただければ」と期待した。
国土交通省北陸地方整備局河川部の伊藤和久部長は「本年からはスノーピークのいろいろなノウハウを生かしてさらなる活性化の取り組みをされることに期待する」、「各種イベントを通じてミズベリング、やすらぎ堤に多くの人が訪れ、地域がより活性化するとともに、出店者の売り上げも大きく伸びることを期待する」と話した。
その後、鏡開き、乾杯、出店者の紹介を行い、プレオープンした。営業は10月末までだが、大半の店は9月末までの営業。