大雨で土砂災害の危険性が高まったことから燕市は3日午前8時25分、分水地区の一部に避難準備・高齢者等避難開始を発令するとともに、国上勤労者体育センターに避難所を開設し、12人が避難した。
燕市は8時20分に災害対策本部をせ設置。8時25分に国上地区の渡部、幕島、真木山、太田、長辰、中島(竹ヶ花)に避難準備・高齢者等避難開始を発令するとともに、国上勤労者体育センターに避難所を開設した。
国上勤労者体育センターに避難したのは、大河津分水路の左岸側で真久山のある幕島の住民ばかり7世帯の12人。幕島の住民は約50人なので、4人1人ほどが避難したことになる。
午前9時ころから家にいた恒例の住民がそれぞれで判断した避難所を訪れた。燕市が避難所を開設したのは、2014年7月9日に台風接近でやはり国上勤労者体育センターに開設して以来3年ぶりだ。
当時は今回よりも強い避難勧告で、避難者の昼食に市が自己負担でおにぎりをあっせんすることにしたが、これに避難した住民が反発。いったん自治会が費用を肩代わりすることで事態を収拾した経緯がある。
今回も基本的な市の姿勢は変わらず、避難する人にはなるべく食事の持参を呼びかけたが、持参する人はなかった。ただ、代わりに市では備蓄している保存食のアルファ米の「五目ご飯」を提供したが、そのうちに青空が広がって日も差し始めたことから、全員が午後1時前にいったん帰宅した。
避難した幕島自治会長の渡辺茂さん(68)は、「今の状態なら山崩れの心配はないけど、市の命令なら来なきゃだめ。防災課の言うこときいて早く避難した方がいい。昔は相当、土砂崩れがあったらしい。国が土留めをしてくれて最近はそういう心配がなくなった」と話したが、夜に向かって再び雨が予想され、台風も接近していることから、今後の雨を心配していた。また、付近の大河津分水路の河川敷、高水敷は冠水しているところもあった。
市では翌4日早朝から再び雨が強まる予報のことから災害対策本部と避難所の設置は夜間も継続して設置しておく。鈴木力市長は災害対応のため翌4日の東京出張を南波瑞夫副市長に代えた。