6月17日から7月20日まで元文3年(1738)開湯の田上町・湯田上温泉の旧温泉街を舞台にアーティストやコレクターの作品を展示する「湯のまち巡り〜軒先アートギャラリー」の一環で1日夜、昨年に続いて「湯のまちナイトウオーク」が行われた。
昭和35年(1960)ころの湯田上温泉は20数軒もの旅籠(はたご)があり、芸妓(げいこ)は40人を数えるにぎやかな温泉街だったが、山道は大型バスが通れないこともあり、山の下へ移転する旅館が相次ぎ、旧温泉街の灯は消えた。旅館などの施設はそのまま残され、時間も止まったまま。昭和の旧温泉街の痕跡が至るところに残っている。
ナイトウオークには浴衣を来た加茂市の新潟経営大と新潟中央短大の5人の女子大生をはじめ、田上町民の親子など50人近くが参加。田上町コミュニティセンターに集合し、旧共同浴場ゆごやまで約600メートルを40分ほどかけてゆっくり歩いて往復した。
日中は雨が降るあいにくの天気だったが、ナイトウオークを始めるころには図ったように雨があがった。LEDランタンを手に歩きながら越後七不思議のひとつ、了玄寺のつなぎがやを見たり、特徴的に多い石垣の話を聞いたり。旧温泉街の急な坂には、加茂市の「小京都を楽しむ会 AKARIBA」から借りた「光の実」と呼ぶあかりが転々とともり、参加者は昭和の温泉街にタイムスリップしたような不思議な感覚を味わった。