三条市は6日、九州地方北部の記録的な豪雨で土砂崩れによる心肺停止など大きな被害が出ている大分県日田市へ先遣隊として職員2人を派遣した。
派遣職員は収納課滞納整理室の石塚衛室長と行政課防災対策室の西沢敬太主査。石塚室長は2011年の東日本大震災で発災2日後に岩手県釜石市へ向かい1週間、災害対策本部や避難所の運営を支援した経験がある。
午後から上越新幹線に乗り、羽田空港から福岡空港へ。高速道路が通行止めでJRの鉄橋が崩れていることから、レンタカーを借りて日田市へ向かう。日曜の9日まで現地で情報を収集するば、延長する場合もある。必要があれば物資の支援などを手配する。
水害被災地の首長がそれぞれ体験を語って防災、減災意識を高めようと国定勇人三条市長らが発起人となって2005年から毎年、水害サミットが開かれており、ことしは全国20の自治体が参加。日田市は4年前とことしの2回、参加しており、三条市は水害サミットの代表の意味合いも兼ねてこの日午前、国定市長が先遣隊の派遣を決めた。今回の豪雨で県内の自治体が職員を派遣するのはおそらく初めて。
午後1時から市長室で先遣隊の出発式を行い、国定市長はあいさつで、三条市に本社のあるスノーピークが日田市でスノーピーク奥日田の店舗とキャンプフィールドを展開して観光面を手伝っており、木質バイオマス発電の先進地としても日田市とつながりがあることにふれた。
「まだまだ全ぼうが明らかになっていない状態だが、先方の災害対策本部の負担にならないように邪魔にならないようにしながらも、彼らが今、何を感じ、何を必要としているのかということを同じ災害を受けた皆さんの肌感覚で感じ取って寄り添ってわれわれの方にその状況を伝えていただければ」と2人に期待した。
石塚室長は「われわれも災害の時に非常に多くの方からご支援を受けて復興してきたので、今度はわれわれもできることを精いっぱいやり、少しでも早い復興に貢献できれば」、西沢主査は「三条市が水害を経験しているということで、その経験をどこかで生かせないかということで、情報収集をして情報を持ち帰りたい」と話した。2人はすぐに市役所玄関前で車に乗り込み、集まった数十人の職員の拍手に送られて燕三条駅へ向かった。