5月から週1回、運行されているJR東日本の豪華寝台列車「トランスイート四季島」の停車駅のひとつ、東三条駅での保育園の園児による“おもてなし”に感激した乗客から保育園へ感謝の気持ちを込めた5,000円分の図書カードが届く心温まるエピソードがあった。
埼玉県の女性から届いた封筒には、図書カードとともに手紙、しかけ絵本のように立体的に金魚鉢を泳ぐ金魚を表現したメッセージカードが入っていた。手紙には「四季島でお出迎え、お見送りを戴き有難うございました。元気な未来の宝ものに出会い幸せでした。ほんの少しですが絵本などにお使い戴ければ幸いです」とあった。
この封筒は5日、三条市三竹2、社会福祉法人報徳福祉会「ひまわり保育園」(野田和恵園長・園児99人)に届いた。保育園は東三条駅まで歩いて20分足らずの距離にある。6月15日に2歳児以上で四季島の見学に訪れ、駅長の勧めもあって22日、7月6日と今度は年長児22人で出迎え、見送りに訪れた。
乗客は新津駅でいったん下車し、バス移動で燕市・玉川堂を見学してから東三条駅で再び四季島に乗車するので、東三条駅でバスを降りた乗客を出迎え、東三条駅を出発する四季島を見送るという役割だ。
6日は東三条駅の四季島専用通路を歩いてホームへ向かう乗客を、園児はみんなで元気に「三条たこばやし」を歌って迎えた。乗客は力いっぱい歌う園児の姿に目を細め、園児とハイタッチしたり、園児の写真を撮ったりした。
四季島の出発ではホームに立ち、発車のハンドルベルを鳴らして大きな声で「行ってらっしゃーい!」、「また来てくださーい!」と手と旗を振って見送った。このようすや乗客の喜びようを見ると、封筒が届いたのもうなずける。
「子どもたちもびっくりして喜んでいました」と野田園長。図書カードをプレゼントしてくれた女性に園児が何かお返しができないかと担任と相談していると言う。「喜んでいただき、それをこんな形で表現してもらえるとは思ってもみませんでした」と感激し。もちろん図書カードは女性の思いの通り保育園の絵本などの購入費に充てる。