加茂桐箪笥(かもきりたんす)協同組合(茂野克司理事長)は7日から9日までの3日間、加茂市産業センターで2017加茂桐たんす祭を開き、伝統的な桐たんすからフローリングの部屋にもマッチするモダン家具などメーカー直売価格の桐製品100点余りを展示即売している。
加茂桐たんす祭実行委員会(高橋芳郎委員長)を組織し、8つの桐たんすメーカーが参加。桐たんすや桐製品の直売をメーンに、古いたんすの修理や再生の相談受付、桐のまな板が60人に当たる来場者アンケー?を行っている。初日は女性による桐たんす製作体験も行った。
会場には、伝統的な桐たんすをはじめ、背が低く仕上げ方やデザインも凝ったチェスト、クローゼットの中に置くたんす、衣装ケース、テーブルやイスなどの家具類から、はし、まな板、米びつ、パスタ入れ、コースターなどの小物まで、さまざまな桐製品ばかりが並んだ。
「加茂桐箪笥」は230年以上の歴史があり、全国の桐たんすの生産量の70%以上のシェアをもつ。原木仕入れから完成品まで一貫生産していることも特徴のひとつだ。
桐たんすは、婚礼家具として親子代々と伝えていく世界でも珍しい家具。調質性や気密性が高く、着物をしまう家具としても有名で、高温多湿の日本に定着した。火事や水害にも強く、大事なものを収納する入れ物としてもさまざまな用途に使われる。近年は、日本の高級家具として海外での評価も高まっている。
初日は、その桐たんすのよさを知り、興味を深めてもらおうと「女性による桐たんす製作体験」を行い、30人余りの応募者から抽選で決まった6人が参加。職人の指導をマンツーマンで受けながら、着物が入る引き出しが2段の「小袖二段」を製作した。
かんなやのこぎりを使って1日がかりで完成させた。田上町の五百川礼子さん(39)は、「作ってみて、あらためて桐たんすのよさをしっかりと感じました」と話した。桐たんすは値段が高いが、それだけの手がかかっていることもわかり、今は納得できると意識も変わった。自分で作ったたんすに愛着もわき、「長く使って愛していこうと思います」と仕上がりに大満足だった。最終日9日は午後5時まで開場、入場無料。