三条署(斉藤正栄署長)は7日、400万円を引き出そうとした特殊詐欺被害を防いだ三条信用金庫本成寺支店と対応した職員に感謝状を贈った。
午前11時に本成寺支店の野島直支店長(55)と職員の佐野篤史さん(31)の2人が三条署を訪れ、本間署長が感謝状を読み上げてそれぞれに手渡した。
振り込め詐欺被害を防いだのは、6月14日午前。三条信用金庫と取引のある三条市の70歳の男性が、預金を下ろそうと佐野さんを自宅に呼んだ。男性は定期積金を積み立てており、毎月、佐野さんが男性宅を訪れている。
男性がふだんと違って慌てたようすだったので、佐野さんが引き出す理由を聞くと、「(県内に住む)息子から電話があり、株で損をしてサラ金から400万円を借りたようだ」、「(東京の弁護士事務所に行くので)大宮まで400万円を持ってきてほしい」と頼まれ、息子を助けるために現金を下ろしたいと説明した。
その電話の前に、「風邪をひいて体調が悪く声が変わった」、「携帯電話をトイレに落としたので、電話番号が変わった」といった内容の電話も来ていたという。佐野さんは典型的な特殊詐欺と思い、その場で息子の今までの電話番号に電話すると、息子が電話に出て詐欺とわかり、三条署に連絡した。
本成寺支店が特殊詐欺被害の未然防止で感謝状を受けたのは初めてだが、三条信用金庫では多くの支店で被害を防いでいる。2月にも本店で375万円の被害を未然防止し、感謝状も受けた。
本間署長は、三条信用金庫について、「お客さんの顔が見える関係がある」と言い、昨年まで署長を務めていた燕署管内でもそうで、顔を知っている密着型。「皆さん、よく止めてくれている」と感謝した。