燕市吉田地区の夏まつり「第60回吉田まつり」が21、22の2日間、JR吉田駅前広場を中心に開かれている。初日21日は吉田民謡流しが行われたほか、第60回の節目を記念して燕市宮町、戸隠神社の春季祭礼で万灯を奉納する木場小路万灯組(清水守之総代)が伊勢音頭と踊りを披露してまつりをさらに熱く盛り上げた。
21日は午後7時からきららおひさまこども園園児によるカラーガードと和太鼓演奏で始まり、和太鼓は吉田太鼓龍神会が指導で初めての披露。続いて吉田中学校カラーガード、ヒップホップダンス、吉田太鼓龍神会と続き、ハイライトの吉田民謡流し。参加は39団体で昨年より2団体減ったものの、昨年並みの2100人が参加して「吉田ばやし」と「吉田繁盛ぶし」を周回しながらたっぷり1時間かけて踊った。
参加団体は町内や事業所で、ほとんどがそろいの浴衣。第60回記念で参加者全員に配った豆絞り首から下げ、これも第60回記念で紅白の浴衣を着た踊りの指導者20人余りが踊りの輪に入って手本を示しながら踊った。
踊りが難しい「吉田甚句」を踊れる人だけで踊ると、竿灯(かんとう)まつりへ。たくさんのちょうちんを下げ、女性を乗せた竿灯を回したりもんだりして気勢を上げた。そして満を持して木場小路万灯組の登場した。
春季祭礼では「お玉」と呼ぶ12人の踊り子で踊るが、この日はそのうち10人が出演。万灯組の若連中も数十人が参加し、春季祭礼と同じように若連中がお玉を背負って位置に着いた。
竿灯まつりから万灯組が笛と太鼓で盛り上げ、そのまま伊勢音頭へ。木遣(きや)りに続いて、きれいに化粧して髪を結ったお玉が「よーいとな!」のかけ声とともに伊勢音頭にあわせて踊り始めると、見物客からは「かわいいっ!」の声が上がった。一直線に並んだお玉は、春季祭礼と変わらないそろった踊りを見せ、見物客を魅了した。
吉田地区は合併して燕市になったが、それまでの吉田まつりは町民祭。それと比べると万灯の方が明らかに歴史に裏打ちされた昔ながらの祭りの精神性や伝統を感じさせた。最後に竿灯の上からもちまきを行って1日目の行事を終わった。
この日の最高気温は34.9度と猛暑日目前で、午後8時でも29.9度。夜なのにじっとしていても汗が噴き出す夕涼みにもならない猛烈な暑さだった。木場小路万灯組総代の清水守之さん(30)は、「春と違って初めて経験する熱帯夜のなか、みんな熱い汗を流しながらやったこと。初めての夏の万灯。男たちの熱気がさらに増して最高の万灯になった。自分は全力を出し切ったので悔いはない」と顔に玉のような汗を浮かべて笑顔だった。