県が早期の改築方針を示している県立吉田病院(燕市)について地元の燕市と弥彦村は25日、米山隆一知事に早期にに燕市役所周辺に移転改築することなど4点を要望した。改築場所について米山知事は「決して時間をかけすぎることなく、県、市でよく相談させていただいて、どういう実行方法がいいのかということでやっていただければ」と判断の考え方を示した。
燕市から鈴木力市長と中山真二市議会議長、弥彦村から小林豊彦村長と武石雅之村議会議長の4人が県庁を訪れて米山知事に要望書を手渡して要望の内容を話した。
鈴木市長は、県央基幹病院が燕労災病院を取り込む形で再編、整備されることが発表されてから燕市と弥彦村の住民は将来の医療整備を不安視していたが、米山知事が就任して昨年の12月議会で早々に改築の方向性を打ち出し、ことし3月30日に「吉田病院医療提供体制等の検討会議とりまとめ報告書」を公表したことに対し「地域住民にとっては大きな喜び」と感謝した。
燕市役所周辺の移転改築を要望する理由については、吉田病院が目指す医療提供体制に必要な施設規模と十分な駐車場を制約なく確保できる、仮設施設などの必要がないので工期の短縮化と工事費削減が図られる、工事期間中も来院者の利便性を損なわないという3つをあげ、県も進める国道116号バイパス整備のストック効果を最大限に生かせるとした。
実現すれば保健センターや在宅医療・介護を推進する機能をもつ施設も加えて複合的機能をもった地域連携の拠点とすることも可能になる。燕市は移転に伴う用地買収や移転後の現在地の売却にも協力する。
鈴木市長は報道関係者から“早期”とした移転改築の具体的な時期を問われて「可能なら県央基幹病院より早めに移転改築してもらえるのが理想」、「県央基幹病院より1日でも早く」と答え、その理由ついては医師、看護師の確保のためとした。
このほかの要望項目は、「吉田病院医療提供体制等の検討会議とりまとめ報告書」を基本とすること、重症心身障害児の家族に対するレスパイトケアを実施し県央地域の中核的役割を担うこと、現行許可病床数を確保すること。
許可病床数は、燕市内ある県立吉田病院が200床、燕労災病院が300床だが、燕労災病院は三条総合病院ともに三条市に建設される県央基幹病院に統合されるため、300床がなくなるため、改築後の県立吉田病院には現行の200床を要望している。そのうち現在の稼働病床数は149床。