19日から24日までの燕合宿に参加しているミズノ株式会社の陸上クラブチーム「ミズノトラッククラブ」の選手7人を講師に22日、三 条・燕総合グラウンド陸上競技場でミズノビクトリークリニックが行われ、一部市外を含む燕市内の小中学生170人余りが世界を舞台に活躍するトップアスリートから直接、指導を受けた。
中学生の部に63人、小学生の部111人が参加した。中学生の部は、短距離とハードルの男女別と幅跳びに分かれて指導を受けた。先の陸上世界選手権の男子400メートルリレーで銅メダル、リオ五輪で400メートルリレーで銀メダルを受けている飯塚翔太選手は、短距離の男子を指導した。
飯塚選手はスタートを中心に指導した。「腕を後ろに引くと前にかえってくる」など理屈も話ながら大事な感覚を自身も模範を示しながら子どもたちに伝えた。途中、雨が強まることもあったが、子どもたちはテレビで見るあこがれの選手を前に緊張し、目を輝かせて指導を受けていた。
最後に飯塚選手は、教えてもらったことを「自分なりにアレンジして自分のものにしてほしいなと思う。そして楽しむことを忘れずに、楽しんでやればすべてうまくいくと思うので頑張ってほしい」と子どもたちを激励した。
飯塚選手の指導を受けた吉田中2年川本進之助君は、飯塚選手と走って「ぴょんぴょんという感じで置いていかれる感じ」と表現し、「自分の良さを出してスタートのときの練習など、きょう教えてもらったことを意識したい」と話した。
小池中3年角田彪瑠君はハードルの指導を受けた。ハードルの男子は角田君だけだったので、リオ五輪の400メートルハードルに出場した松下祐樹選手からマンツーマンでつきっきりの指導を受けた。
角田君は「そうそう、こうした機会はない」、「運が良かった」と大感激。「自分では自分を客観的に見れないし、知識の深いところを教えてくれた」、「レベルが2、3段階、上がったと思う」と喜んだ。
クリニック後のインタビューで飯塚選手は、燕市の中学生について「結構、皆さんまじめで、控えめな部分もあったんですけど、優しい人たちで、頑張ってほしい」と話した。今回の合宿は「すばらしい環境でやらせてもらってる」、「ふだん囲われた競技場とかで練習するが、こうして開けた所で走るのは気持ちがいい」と喜んだ。
先の世界陸上での好成績については「去年に引き続き、もう一度メダルを取れたっていうのは、世界的に日本のスプリント力をアピールできたと思う」とし、若い世代が自信をもてるように「これからも継続して勝ち続けることが大事」と話した。
また、燕市は2020年の東京五輪パラリンピックに出場する選手に燕製カトラリーを自分専用のカトラリー「Myカトラリー」として遠征などに持ち歩いてもらう取り組みを進めている。そのモニタリングとして燕市は合宿初日にミズノの選手らにMyカトラリーをプレゼントした。
飯塚選手は、ロンドン五輪や世界陸上でもカトラリーを持参しており、「食事はMyカトラリーを毎食、お昼に使わせてもらっていて楽しみで、次は何を使おうかとみんなで話し合ったりしている」と大歓迎だった。