24日に燕市国上、道の駅 国上で行われる酒呑童子(しゅてんどうじ)行列を前に1日、地元分水地区にあるラーメンや中華料理のレストラン「レストハウス華苑」(小越久美夫店主)では、日本最強の鬼ともされる酒呑童子の顔をトッピングで表現したラーメンを発売した。
鬼の顔をした2種類の“鬼”担々麺(たんたんめん)で、辛さレベルが“鬼辛”の「酒呑童子版」(税込み900円)と、さらに辛くした「四天王」ならぬ「四鬼王(しきおう)」と命名した“激辛”の「四鬼王版」(980円)。「酒呑童子版」は辛いものが苦手という人でなければ食べられるくらい、「四鬼王版」は辛さが得意という人でなければ勧められないくらいのレベルの辛さだ。
いずれも鬼の角を揚げ餃子、髪をハス切りしたネギ、目を2つに切った煮玉子、口を自家製の食べるラー油、牙をトウガラシで表現。「四鬼王版」は加えて髪にトウガラシをまぶす。真っ赤なスープもいかにも辛そうだが、顔はインスタ映えするかわいいイメージで、色のコントラストが食欲をそそり、ふつうに食べてみたくなる。
これまでも担々麺を販売しているが、見た目でだけではなく担々麺そのものも、あんをかけてあっさり系ながら麺にからむようなスープを新たに開発。ネギをたっぷり使ったので、ネギ好きにもアピールする。高校生はそれぞれ100円引きする。
分水地区の砂子塚に生まれたとされる酒呑童子にちなんで毎年、酒呑童子行列が行われている。「レストハウス華苑」で働く小越洋輔さん(34)は、分水商工会青年部部員として、おととしは分水小、昨年は分水北小へ出向き、酒呑童子行列を小学生にPRした。それをきっかけに、「鬼マーボー麺」など酒呑童子をモチーフにしたメニューの開発を考えるようになった。
ことしの酒呑童子行列を前にそれを具体化しようと7月半ばに燕市観光協会に相談したところ、タイミング良く燕市観光協会では県立吉田高校生徒と民間企業との3者がコラボレーションする食の開発に取り組んでいた。渡りに船とその事業に乗り、高校生のアイデアも入れて開発した。吉田高校とは別に8月に開かれた高校生ボランティアの企画会議で、PRチームがラーメンのポップも作成してくれた。
鬼担々麺は期間限定ではなく、定番メニューにした。発売日のランチで4人が鬼担々麺を注文し、見た目だけでなく味も好評だった。これまで目玉メニューがなく、「鬼担々麺を看板メニューしていきたい」と小越さん。ポップの裏には酒呑童子の言われも書いてあり、「料理を待つ間に読んで酒呑童子に興味をもってくれればうれしい」と言う。
店頭に置いてある時期によってふん装を変える石像も鬼に変身させてアピールしている。問い合わせは「レストハウス華苑」(電話:0256-98-5634)へ。