初めて三条市でも開催されるプロ将棋界の頂点を決める第30期竜王戦七番勝負の挑戦者が、将棋界にとどまらずその名を知られる羽生善治2冠(46)に決まり、三条開催の注目度も高まっている。
渡辺明竜王(33)への挑戦権をかけた三番勝負の第3局が8日行われ、羽生二冠が松尾歩八段(37)に勝って2勝1敗として挑戦権を獲得した。竜王戦三条開催は11月23、24日に三条市長野、越後長野温泉「嵐渓荘」で行われる。
22日は午後6時15分から嵐渓荘で前夜祭が行われ、抽選で60人が参加できる。渡辺竜王と羽生二冠をはじめ、大盤解説を行う九段棋士、七段棋士、女流棋士も参加する立食パーティーで、第30期竜王戦記念扇子が付く。日本屈指の将棋齣師と称される手彫りの竹風(ちくふう)駒を作る三条市北四日町、大竹日出男さんが寄贈する盛上駒の竹風駒一式やサイン色紙をプレゼントする抽選会もある。参加費は一般1万円、小中学生7千円。
23、24日は大盤解説を行う。23日は午後1時から封じ手まで、24日は午前9時から終局まで。各日定員80人、参加費2千円で、プラス500円で入浴もできる。
竜王戦の本戦の決勝トーナメントには、29連勝して歴代最多連勝記録を更新した藤井聡太四段も出場していた。時の人となって大きな注目を集めていただけに、挑戦者となって三条開催での対局にも地元は大きな期待を寄せたが、2回戦で敗退して連勝記録がストップし、竜王戦から脱落した。
残る出場者なかでは断トツの知名度の羽生二冠が挑戦者に決まったことで三条開催もがぜん注目度が高まった。三条開催でのイベントの参加は往復はがきで申し込む必要があるが、申し込みはまだ30通ほどにとどまっている。
しかし羽生二冠が挑戦者に決まると担当の生涯学習課には県外からも問い合わせが届くようになり、大阪から宿泊先も含めて問い合わせがあった。
渡辺竜王と羽生二冠の顔合わせも興味深い。竜王戦で前回、2人が顔を合わせたのは2008年で、羽生二冠は3連勝後に4連敗する竜王戦初の大逆転で敗れており、その雪辱戦ともいえる。羽生二冠は今回、勝てば「永世竜王」となる。すでに竜王戦と叡王戦を除く6つのタイトル戦で永世となっており、初めての「永世七冠」への挑戦ともなる。
往復はがきの申し込み方法は三条市のホームページに掲載している。問い合わせは生涯学習課生涯学習推進係(電話:0256-32-4811)へ。