書家の木原光威さん(55)=三条市井栗=が主宰する書道研究「洗心書院」は16(土)、17(日)の2日間、三条市東公民館で2年ぶり2回目の社中展「洗心書院展」を開く。
木原さんは自宅教室をはじめ、三条別院や下田地区、新潟市内などで教室を開いたり指導者を務めたりしている。そこで木原さんに学ぶ門下生の作品展。おとな23人と高校生以下14人の合わせて60点を展示する。
木原さんは新潟大学教育学部書道科を卒業して高校で書道の非常勤講師、教諭を務めた。師が亡くなったのと同じ50歳になったのを機に退職し、書に専念している。県内の書道雑誌『太空』の編集人も務める。
おととし初めて社中展を開き、毎年開く考えだったが昨年は会場が確保できず、新潟市秋葉区で小品展だけ開いた。待ちに待った2年ぶりの社中展。昨年、休まざるを得なかったことについて「体力がついて結果的には良かった」と木原さん。「作品のレベルが上がり、表現の幅が広がった」と言い、若手が増えて実力をつけたことを喜ぶ。
ことしは全国で初めての書道専門の公立美術館として知られる高知県安芸市の安芸市立書道美術館が主催する安芸全国書展に教え子4人が出品し、4人とも入選。その作品も展示する。西蒲原郡が中心の郡書展の役員に就く実力者の教え子もいる。「2年前に比べたら見違えるよう」と木原さんは目を見張る。
高校生以下の作品は昨年は大作1点をみんなで共同制作したが、ことしは1人1点ずつ出した。中高生が漢詩などの臨書に挑戦している。中学3年の教え子が木原さんも所属する中央の現日書展の全国公募展で秀作賞を受けている。
教え子の作品は書体も書風もまちまちだ。木原さんは手本を書いてその通りに書くように指導することはほとんどない。「興味がわいたものに取り組む姿勢が大切」がモットー。「2回目の社中展でまだよちよち歩きですが、これから熟度を増してうまくなってくれれば」と木原さん。開幕前日の15日夜はわいわいと和やかに展示作業を行っていた。16日は午前10時から午後6時まで、17日は午後3時半まで、入場無料。