「燕三条 工場の祭典」が5日、開幕した。8日まで燕三条地域の名だたる工場を開放してものづくりを体感してもらう4日間。過去最多の103拠点が参加し、ものづくりの現場を公開して燕三条の技術を目の当たりにしてもらっている。
初日5日は午前9時からメーン会場の三条ものづくり学校の正面玄関ロビーで開会式を行い、紅白のテープに代えたチェーンをペンチで切断するテープカットならぬチェーンカット。さらにその奥の多目的ホールの入り口で工場の祭典の武田修美実行委員長と監修のmethod(メソッド)代表の山田遊氏が「集え!産地」と声を上げて暗幕を引き、文字通り開幕した。
ことしで5年目になるオープンファクトリーイベント。県外からも多くの来場者を集め、昨年は96拠点を開放して3万5000人が来場した。ことしはそれを上回る103拠点が参加している。
昨年に続いて三条ものづくり学校がメーン会場。昨年は株式会社中川政七商店による大日本市博覧会・第四回「新潟博覧会」が開かれて好評だったが、ことしは初めての「産地の祭典」が開かれており、国内9カ所の伝統工芸に根差した産地と海外の台湾、インドを含め11の産地を商品の展示や販売、ワークショップで紹介している。
初日5日は平日のこともあり、来場者が少なかったが、ワークショップは注目だ。なかでも間違いなく人気を集めるのが、富山県高岡市・高岡伝統産業青年会による「砂型による錫(すず)のぐい飲み鋳造体験」(参加費3,000円)。砂型を作って中に錫を流し込み、冷まして砂型を外すと光沢のあるぐい飲みが姿をあらわす。
職人とほぼ同じ手作業で作る鋳造は、ゼロからものを生み出すものづくりの魅力を存分に味わうことができ、参加した人は思わず声を上げたり、手を叩いたりして感激していた。ほかに「螺鈿(らでん)お箸(はし)・金箔(きんぱく)皿の体験」も行っている。
沖縄県壺屋・育陶園は「陶芸シーサー作り体験」(3,500円)のワークショップを用意。会期後に焼成、自宅に発送してくれるもので、「こんな機会じゃないと体験できない」と貴重な体験を喜んでいた。
また三条ものづくり学校に入居するデザイン会社、エムズグラフィックと缶バッジのVIVAはオリジナルデザインの手鏡作りのワークショップ(1,500円)を行っており、三条ものづくり学校内だけでも1日ですべてやりきれないほどのワークショップが用意されている。