燕ロータリークラブ(船山英幸会長)は、燕サッカー協会の主管で7、8の2日間、燕市吉田大規模公園「吉田ふれあい広場」で初めての「燕ロータリークラブ杯サッカー大会 U-12」を開き、優勝チームには燕市内の企業が手弁当で製作したステンレス製オリジナル優勝トロフィーを贈る。
大会には燕市と近郷の小学生サッカー16チームが参加。予選リーグ、決勝トーナメントで競う。燕ロータリークラブは30年以上、少年野球大会を主催している。一方で「燕市内の子供たちのサッカーを支援する会」は燕市内にサッカーの練習場の建設を目指して寄付を募っていいる。会の代表の青柳修次さんは燕ロータリークラブ会員でもあることから、今回のサッカー大会を企画した。
大会を計画するなかで、せっかくなら優勝チームには立派な優勝トロフィーをと、青柳さんの発案で地元でオリジナルの優勝トロフィーを作ることにした。燕市は金属加工を中心としたものづくりのまち。優勝トロフィーを地元で作ることは朝飯前だ。
サッカーW杯の優勝トロフィーをイメージして、有限会社長谷川挽物製作所(燕市小関)の長谷川克紀社長が、台座に3本の丸棒を立ててその上にサッカーボールを載せる形をデザインした。
すべてステンレスが素材で、台座は長谷川挽物製作所が製作した。平たい円筒形で高さ4センチ、直径20センチ。丸棒を立てる穴を3つ開けた。丸棒は土田工業株式会社(燕市杉名・土田淳平社長)が直径10センチのものを上に向かって広がるように曲げて台座に溶接。上にステンレス製のサッカーボールを載せて溶接した。
サッカーボールは既製品だが、そのままでつまらないので、白黒のサッカーボールの黒い部分にビーズブラストをかけて光沢のあるつや消しに仕上げた。さらに全体を金メッキを施して完成した。
台座の側面には、彫刻機で大会名のほか毎年、優勝したチーム名を刻んでいく。材料費だけで10万円、仕事なら数十万円で受注するような作業だったが、それぞれの会社がボランティアで製作した。
子どもたちのサッカー大会だが、オリジナルの優勝トロフィーに妥協はなく、関係者は「燕の技術から生まれたどこに出しても恥ずかしくないトロフィーができた」と喜んでいる。オリジナル優勝トロフィーはその年の優勝チームに渡され、代わりに前年の優勝チームには市販のトロフィーを贈る。