三条の春の名物行事、大名行列を子どもたちで再現する「子ども大名行列」が9日、ことしも三条市・八幡宮を中心に行われ、約60人の子どもたちが参加して本物さながら見事な行列を披露した。
八幡宮の春季祭礼に伴う三条祭りで毎年5月15日に大名行列が行われている。十万石の格式を誇る伝統行事。その大名行列を子どもたちで再現し、ふるさとを愛し、これからの三条を支える担い手になってもらおうと毎年、地元の関係団体で実行委員会を組織して行っている。
9月18日に実施の計画だったが、台風接近のためこの日に延期して行った。この日は最高気温26.4度と25度を超す夏日で汗ばむ陽気となった。午前10時前から八幡宮拝殿でおはらい行ってから出発した。
2人1組となって先箱や槍(やり)などの道具を投げて受け渡しながら進む奴から天狗、白丁、それにみこしや囃子方が続いた。参道を出てから車両通行止めにした公道を右回りで進み、三条市まちなか交流広場「ステージえんがわ」まで進んで八幡宮へ戻った。
三条祭りなら最後に境内を走って回り。もみ合いながらみこしを拝殿へ上げる舞い込みが行われるところだが、子ども大名行列は境内を1周するだけの「走り込み」を行い、三本締めで締めくくった。
本物の大名行列さながらの衣装を着た子どもたちに見物する人たちは「かわいい」の連発。とはいえ、大名行列を支える道祖神会、三条先供組合、囃子方ががっちり子どもたちをサポートしているので、遠目には本物の大名行列と見まがうほどの完成度の高さだ。
なかでも拍手を集めたのが奴を担当して2年目の裏館小2年布施誉純(ほずみ)君で、担当は長柄。長さ1メートル近くある棒状の長枝を片手で瞬間的にもちかえてくるくる回しながら進む。同時に長柄を高く投げ上げる、首の後ろを回す、上げた片足の下から投げ上げるの3つの技があるが、布施君は子ども大名行列で初めてその3つの大技すべてを習得し、披露した。
長柄を回す技は、自分からすすんで登下校のときに傘を回して練習するほど大好き。「奴の技ができるようになって、長柄を落とすこともあったけど、うまくやれてみんなから拍手もらってうれしかった」と言い、「来年は天狗もやってみたい」と目を輝かせていた。