安倍晋三首相は12日、新潟県内を遊説し、県内6つの衆院選選挙区を回って各選挙区1カ所で演説会を開いき、県央地域を含む新潟2区は燕市吉田産業会館前、新潟4区は三条市役所前で演説した。
燕市吉田産業会館では支持者ら約800人が集まった。安倍首相は、この会場の前に演説した新潟市を訪れて北朝鮮に拉致された横田めぐみさんことを思い出したと言い、先のニューヨークでの国連演説でトランプ大統領が横田めぐみさんのことにふれ、そのあとトランプ大統領と首脳会談を行ったことを話した。
11月にトランプ大統領が来日するときには、横田めぐみさんの両親や拉致被害者の家族に会ってほしいと求めたところ、「トランプ大統領は『晋三、わかった。会うよ』と言ってくれた。そして一緒にこの問題を解決していくよと力強く約束してくれた」と述べた。
北朝鮮との話し合うための話し合いは意味がないことを20年間、身をもって経験した。核廃棄を約束した北朝鮮に対し日本は原発建設に伴う費用1千億円を貸すとし、うち400億円は実行したが一銭も返ってこず、約束を破って核実験を行い、時間稼ぎに使ったとした。
「北朝鮮が意図的に挑発を続けている今こそぶれてはならないんです。北朝鮮の脅かしに屈してはならないんですよ皆さん。国際社会と連携してしっかりと圧力をかけ、北朝鮮の側から政策を変えるから話し合いましょうと言ってくる状況を私たちはつくりたい」と述べた。
日本のGDPが民主党政権で493兆円まで下がったが、今は543兆円に増えた。年金も運用で資産が46兆円増えた。外国人観光客は800万人から2400万人に増え、新潟にもやってきた。中小企業向けの政策で前政権より倒産を3割減らした。農業では新しい農政をスタートし、40歳以下の就農者が3年連続で毎年2万人増えた。生産農業所得は3兆3000億円で過去11年間で最高になり、農家の数は減ったが、全体額は増えたと実績を挙げた。
2020年までに幼児教育を無償化、給付型奨学金の拡充し、そのための財源は消費税の使いみちを思い切って変え、今まで5分の4は借金返しに使ってきたが、おおむね半々にしてこれらに2兆円ていどを充てる。年金や介護も拡充する。社会保障は全世代型の社会保障制度へ思い切って変える大改革を断行する。
当選のために新しい党をつくる、党の名前を変える、看板を後ろに隠すといったニュースばかりと野党を批判。「誰が信用できるかを決める選挙。看板をころころ変える人を皆さん信用できますか。看板出さない人を信用できますか。どうか皆さん、この選挙は厳しい。わたしたちはひたすらに政策を訴えていきたい」。最後に「日本を、国民の命を、幸せな生活を守り抜くことができるのは、そして子どもたちの未来を切りひらくことができるのは、わたしたち」と強調した。
演説は約20分。燕市とJA越後中央のコラボ米「つばくろう米」にふれて「わたくしあまり大きな声で言わないんだけど、ヤクルトスワローズのファンだったんです」、「このあとすぐに投票所に言っていただきたい」と笑わせる場面も。最後に集まった人たちとハイタッチして次の三条市の会場へ向かった。
三条市役所前には約1,500人が参集。タダフサの製品をさしていると思われる1万円のパン切り包丁や諏訪田製作所とものと思われる7000円のつめ切りは素晴らしいと言い、おいしいカレーラーメン、きんぴら団子と次々と三条産の製品をあげて三条の聴衆を沸かせた。
必勝コールのあと街宣車から降り、聴衆で埋まった三条市役所の建物前を端までハイタッチをしながら歩き、次の街頭演説に向かった。