14日から18日までの5日間、三条市厚生福祉会館で開かれている第13回三条市美術展は来場者の出足が好調で、16日までの最初の3日間で2,370人が来場し、昨年実績の2,263人を早々に上回った。一方、14日から17日までの4日間、燕市吉田産業会館で開かれた第12回燕市美術展覧会の来場者は1,450人にとどまり、昨年の1,711人を15.3%も下回っておそらく過去最低となり、両市で明暗がくっきりと分かれた。
三条市展はそれまで会場にしていた三条市体育文化センターの解体工事に伴って昨年から三条市厚生福祉会館に会場を移している。そのためか来場者は大幅に減り、三条市体育文化センターが会場だった一昨年の3,089人から初めて三条市厚生福祉会館で開いた昨年は2,263人と26.7%も減った。
関係者はことしも来場者が少ない状態が続くだろうと予想したが、ふたを開けてみると見た目でもわかるほど来場者が多かった。とくに週末は初日14日(土)が920人、15日(日)が936人と1日で千人に迫る勢い。週が明けて16日(月)は514人で、ここまでの3日間で計2,370人を数え、昨年実績を軽々と上回った。
17日(火)も午後1時までに272人が来場し、これで計2,602人。開催日はもう1日、18日が残っているので、5日間の合計では一昨年を超える可能性が高い。
好調な原因には天気に恵まれたこともあるが、なんといっても衆院選効果。三条市厚生福祉会館と同じ建物の市役所第二庁舎で期日前投票が行われている。その相乗効果で、期日前投票のついでに市展会場に立ち寄る市民が多いのは明らかで、出品数も来場者数も減少傾向が続く三条市展には思わぬ追い風となった。
出品、来場者の減少は三条市展に限った話しではなく、燕市展も同様の課題を抱える。燕市展に追い風は吹かなかった。少しでも来場者を増やそうと開場時刻をこれまでの午後5時までから、ことしは午後6時までに1時間延長した。さらにMOA美術館つばめ児童作品展を初めて同時開催。それにもかかわらず、来場者減少の歯止めがかかるどころか大幅に減り、新しい取り組みも空振りだった。
来場者が大幅に減った理由に関係者もまったく思い当たることがなく、首をかしげるばかり。美術館の企画展でふつうに行われる関連イベントのように、燕市展でも美術に関したワークショップやパフォーマンスなど思い切った改革の必要がありそうだ。
来年は会場の燕市吉田産業会館で改修工事が行われるため、市展会場に利用できず、ほかの会場を手配する必要がある。どちらも仮の会場になるならいっそ三条市展と燕市展を燕三条地場産業振興センターで1回限りの同時開催し、カンフル剤にするというアイデアもありそうだが、現実的には費用面などで難しそうだ。