江戸時代後期に西蒲原郡粟生津村、今の燕市粟生津に開かれた私塾「長善館(ちょうぜんかん)」について子どもたちから学んでもらおうと14日、燕市吉田老人いこいの家「長善館」で地元の粟生津小3年生による長善館の講義体験と学習発表会が行われた。
粟生津小3年生14人のうち13人が参加。ホテルから借りた浴衣を着て参加した。3年生は7月から総合学習の時間を使って6つのグループに分かれ、「長善館に関する調べ学習」としてそれぞれ長善館の「歴史」、「生活」、「先生」、「良寛とのつながり」、「生徒(塾生)」、「粟生津小とのつながり」のテーマで調べた。その結果をまとめて学習発表会で発表したほか、国語、漢詩、修身の3科目の講義を体験した。
講義体験の講師は、主催の粟生津地区協議会の会長、今井文幸さん(67)。今井さんは元小学校教諭で粟生津に生まれ育った。自身も和服で講義し、子どもたちは畳に座って塾生となって勉強した。
学習発表会では、グループごとに調べたことをまとめた紙芝居のようなフリップ形式で発表し、調べたことをもとにしたクイズを出してほかの子どもたちから答えてもらった。最後に今井さんから子どもたちに修了証書を授与した。
はた秦碧羽君(9つ)は、「粟生津小の校歌とか調べたら長善館とのつながりあることがわかって良かった」と勉強の成果に満足していた。
この事業は長善館の保存、継承活動して2年前から毎年行っている。長善館の今井さんは「長善館をあまりにも若い人が知らない」と言い、「長善館のことを自分で調べて発表することでおとなになっても長善館のことを忘れずに覚えていてくれると思う」と、子どもたちが長善館を語り継いでくれることを期待した。