ことしで4年目となる「日本海側最大級のものづくり系展示会」をうたう「燕三条ものづくりメッセ」が26、27の2日間、燕三条地場産業振興センターで開かれる。昨年をさらに10上回る251社・団体が出展し、燕三条地域のものづくりの技術を一堂に集めてアピールする。
燕三条地場産業振興センターが主催し、昨年は2日間で8,651人が来場。ブース訪問企業2万3,277社、名刺交換数1万0,250枚、成約件数97件、引合・見積依頼667件、相談等件数1,172件、後日企業訪問等の約束442件の好実績だった。一定の成果が見込めるとあって、ことしはさらに出展が増えたが、会場のスペースにほとんど余裕がなく、現状ではこれでめいっぱいだ。
メッセピアとリサーチコアの間の駐車場に設置する特設テント、三条商工会議所のチェンバーズホール、特設テント裏のテントには燕三条地域を中心に出展。メッセピアの多目的ホールには県外出展、1階フロアは県内の団体や大学の出展が中心になる。
昨年に続いて多目的ホールでは、「燕三条&TOKYO しごと発掘市in燕三条ものづくりメッセ2017」が開かれる。東京都と東京商工会議所が取り組む「ALL JAPAN&TOKYOプロジェクト」の一環として燕三条地域の企業限定で都内企業とのビジネスマッチングを行う。
メッキ加工などの表面処理を手掛ける株式会社高秋化学(高橋靖之代表取締役社長・燕市小池)は、燕三条地場産業振興センターと共同開発した、3Dプリンターで製作した樹脂製品にメッキ加工を施す特許出願中の技術を展示する。樹脂にメッキを施すのはABS樹脂が一般的で、ナイロンやポリプロピレンは密着性が低く、3Dプリンターで製作したものは表面にデコボコがあってさらにメッキがはがれやすい。
今回は「燕三条ものづくりメッセ」のポスターなどに使われている2Dキャラクター「TSUBASAN-ROBO」を3Dプリンターで出力し、メッキを施したサンプルを展示する。金属3Dプリンターもあるが、高価。3Dプリンターで作った樹脂にメッキを施すことで、耐熱性や摺動(しゅうどう)特性、反射率、抗菌性が向上する。高橋社長は「100個単位といった小ロットでも費用対効果が高く、かなりニーズがあると思う」と期待している。
セミナーも数多く用意している。26日は午後3時半から5時まで特別講演会を開き、株式会社浜野製作所の代表取締役CEO、浜野慶一氏が「東京・下町・町工場の挑戦!」をテーマに講演。27日は午後1時から3時半まで「ものづくり革新会議」シンポジウム2017を開き、燕三条からものづくり情報を発信する。
出展社のうち17社が2日間にわたってそれぞれプレゼンテーションを行い、自社の技術をアピールする。さらに26日は午前10時半から午後4時まで溶接技術講演会「ステンレス鋼の溶接施工技術」、27日は午前10時半から正午まで知的財産講演会「最近の技術の変革と知財制度について〜時代の流れに対応し、中小企業が生き残るには〜」が同時開催される。
新しいイベントが、3Dプリンター活用コンテスト。3Dプリンターによる造形品のアイデアを競うもので、クリエイティブ部門に7社・団体の7点とエッグドロップ部門に8社・団体の9点の応募があった。注目は27日午後1時半から行うエッグドロップ部門だ。高い所からタマゴを落としても割れない、衝撃からタマゴ守る仕組みを考えて3Dプリンターで作り、実際に高い所から落としてタマゴが割れない高さを競うもの。予想を超えるユニークな仕組みが誕生しており、当日、勝敗を決する。
1年目は特設テントの前に大きなガンダム風のゲートを設置して来場者を驚かせたが、ことしそれと比べるとかなり小ぶりだが、同じテイストのゲートが3年ぶりに登場。24日はゲートが姿を表し、ものづくりメッセのムードを盛り上げていた。開場は26日は午前10時から午後5時まで、27日は午後4時まで。問い合わせは燕三条地場産業振興センター(電話:0256-35-7811)へ。