三条市の緊急避難場所の指定も受けている民間検査機関、県央研究所(茨木和雄理事長・本所三条市吉田)は4日、燕市小高の同事業所で「けんおう防災キャンプ」を行い、地域の人や職員など約60人がAEDの使い方やロープを使ったレスキューを学んだ。
同所の社屋は、燕市東町と三条市下須頃の境界付近に建つ耐震4階建て。近隣住民の緊急避難場所にも指定されている。2009年に完成した同社屋には、「地域の人たちが、いつでも気軽に訪ねてきてくれるような研究所でありたい」との願いも込められている。
防災キャンプは、地域全体に緊急時に利用できる施設があることを広く知ってもらうことをはじめ、近隣住民との交流を行って共助の一端を担うこと、防災に関する知識の啓もうと普及を図ることを目的に、三条市の緊急避難場所(豪雨時の一時的に避難する施設)として指定を受けた2013年から毎年行っている。
三条と燕両市の家族連れや夫婦など子どもから年配の人まで幅広い年齢層が参加した。燕市消防本部職員を講師に「AEDの使い方と胸骨圧迫」、水難学会指定指導員による「ロープを使ったレスキュー」、段ボールで簡易トイレを作る「防災アイデア紹介」、「防災かるた」を体験した。
「AEDの使い方と胸骨圧迫」では、消防職員2人が2体の人形を使って心臓マッサージやAEDの使い方の説明を聞き、体験した。心臓マッサージを体験した人は「骨が折れないか?」など胸骨を押す力加減を質問し、消防職員は「思うより強く押してもらって大丈夫なので恐れずにやっていただきたい」と答えた。
AEDは冬の厚着や男性が女性に行うときは「パッドを張るときに服を脱がすのは、実際には難しかったり、抵抗があるのでは」との質問には、全部脱がせる必要はなく、衣類の一部を開いたり、めくったりするようアドバイスした。
ほかにも「わたしのような年寄りやペースメーカーが入っている人の処置は?」、「(胸骨圧迫は)意外と力がいる。若い人じゃないと大変だ」などさまざまな声があり、和やかな雰囲気での体験に、率直な疑問や感想を話しながら、防災について理解を深めていた。