5日から8日まで真宗大谷派三条別院(森田成美輪番・三条市本町2)で行われているお取り越し報恩講にあわせて2日目の6日夜、昨年に続いて演劇公演「シアターサンジョーゴボー」が行われ、芥川龍之介の小説を原作とした同名の「河童(かっぱ)」を上演した。
参拝が減るお取り越し報恩講が再びにぎわいを取り戻す起爆剤にと昨年、初めて演劇公園を企画して好評だった。ことしも長岡市を拠点に活動する「劇団☆ASK(アスク)」が公演。真宗大谷派の僧りょ数人も端役で出演した。
河童の国に迷い込んだ精神病患者が河童の国で人間社会とはまったく異なる価値観に直面し、正常と異常の境界があいまいになっていくといったストーリー。すっと理解するのが難しい設定だが、本堂の中央をメーンの舞台に照明や効果音を凝らして、怪しい雰囲気をかもし出した。
約200人が来場して本来は仏に手を合わせる本堂に座って鑑賞。かつて三条市には三条演劇研究会を柱に市内高校には演劇部もあって演劇は身近だったが、三条の演劇文化いったんほぼ絶えたような状態になり、昨年春に三条市で旗揚げした「65歳以上の劇団」が唯一、気を吐いており、「シアターサンジョーゴボー」が三条の演劇文化の再燃につながることも期待される。