三条市が開設するリアル開発ラボ1期生のOB5社が、バイク用カーゴトレーラー「Piccolo(ピッコロ)」を開発した。来春の発売に向けてPR、先行受注しようと12日、東京都昭島市のアウトドア体感施設「モリパーク アウトドアヴィレッジ」で開かれるバイクのイベント「バイクブロスまつり2017」に出展する。
カーゴトレーラーの本体はFRP製で長さ80センチ、幅50センチ、高さ40センチ、容量は役150リットル。昔から人気のおしゃれなイタリア製スクーター「ベスパ」での牽引を想定してデザインし、2輪のタイヤもベスパ用を流用した。原付きバイク限定でナンバーや車検がいらない。農作業機具や農作物、釣り道具の運搬、犬を乗せるなどさまざまに活用シーンが考えられる。
バイクとの接続金具は、これまで2軸方向に可動するものはあったが、新たに3軸方向に可動する、新奇性の高いよりフレキシブルな接続金具を開発した。ふたはないが、ネットを取り付けられるようなオプションも検討している。販売価格は25万円を予定している。
三条市では市内企業が連携して価格決定力の確保につながる新製品の開発促進を図ろうと、2015年度からシステム・インテグレーション株式会社代表取締役の多喜義彦さんを講師に年度ごとにリアル開発ラボを開設。市内企業が参加し、グループワークで完成品を目指して新製品の開発に取り組む。
カーゴトレイラーの開発に取り組んだ5社は、その初年度の第1期生として知り合った。1年間の受講後もせっかくのつながりをこのまま終わらせるのはもったいないと、月に1、2回は楽しい仲間として集まろうと意気投合。気軽に話せる間柄になり、「ここまできたなら仕事にもつながればなおいい」と、最初はカーゴトレーラーの接続金具だけを一緒に作ろうと始めたが、だんだん話は膨らんでカーゴトレーラー全体を作ることにした。
外山製作所は専用の作業場まで作る力の入れよう。開発にかかった費用は200万円で、その50%を三条市の補助金を受けた。20台の販売が損益分岐点。「バイクブロスまつり」はことしで6年目になるバイクメーカーの試乗や展示、パーツメーカーの展示販売などが行われるイベントで、「今回の出展で20台の予約を受けたい」とやる気満々。すでに自転車用のカーゴトレーラーの開発にも取りかかっており、5社の挑戦はまだ始まったばかりだ。