新潟を舞台にした2018年1月公開の映画「ミッドナイト・バス」の完成披露試写会が9日、新潟市西区・イオンシネマ新潟西で開かれ、キャストらによる舞台あいさつも行われた。
新潟ー東京間を走る長距離深夜バス運転手のバツイチ中年男を主人公に、家族がきずなを再生していく物語。原田泰造さんが演じる主人公の家が三条市下田地区の設定なので下田地区の風景が多く切り取られ、とくに下田地区のハクチョウの飛来地は主人公の住む地として象徴的に描かれている。
舞台あいさつには原田さんをはじめ、その元妻役の山本未來さん、その父役の長塚京三さん、主人公の息子役の七瀬公さん、娘役とアイドルユニットを組む役のNGT48の長谷川玲奈さん、そして映画に登場する柴犬のほか、竹下昌男監督と新潟日報社の小田敏三社長もあいつした。
原田さんは、大型免許を取ってバスの運転は吹き替えなしで演技した。原田さんは「教習所に通いながらだんだんこの役を自分のなかに入れていって、だんだん自信をもっていったと思う」と言い、新潟の市街地を走るのは「最初は怖くて慣れるまで時間がかかった」と話した。
山本さんは元妻の役について、母、妻、女のいろんな側面をもつ女性なので、共感できないところもあれば、わかるところもあったが、「この役はぜひお話しをいただいたときに私がやらせていただきたいと思った」と役への強い思いを話した。
竹下監督は「皆さんがふだんなじんだ新潟の風景を背景に素敵な俳優のかたがたが演じる映画」、小田社長は「きっと皆さんの心のなかの何かがぶるぶると震え出すような映画」と大勢の鑑賞に期待した。
このほか、主人公の恋人役は小西真奈美さん、娘役はNHK連続テレビ小説「わろてんか」で主演を務める葵わかなさんが演じた。
映画を鑑賞したバツイチで息子ふたりを育て上げた50歳代の女性は」静かにじわじわしみてきた」と言い、「両親がそろった家庭でなくともささやかな幸せがある」、「どの親子でもわかり合えるのは難しいし、やっぱり知らないことの方が多い」と作品を自分に重ねていた。
この作品は映画は新潟日報社が創業140年を記念して東京・ストラーダフィルムズと共同製作した。来年1月20日から新潟先行ロードショー、27日から東京・有楽町スバル座などから全国ロードショーが行われる。