県央地域の小学生4年生から6年生が夏休みに4泊5日をかけて三条市、燕市、弥彦村と通算100kmを歩き抜く「寺子屋つばさ100km徒歩の旅」がこの夏で第10回を数えた。その10周年記念式典が18日、三条市の餞心亭おゝ乃で開かれ、実行委員会をはじめ学生スタッフや保護者、来賓など約200人が出席して節目を祝った。
実行委員会の嘉瀬一洋会長はあいさつで歴史を振り返った。100km徒歩の旅は20年前に福岡県筑紫野市で「つくし路100km徒歩の旅」として始まり、今では全国15カ所に広がった。県内ではほかに「越後つまり100km徒歩の旅」も行われている。
「寺子屋つばさ100km徒歩の旅(寺100)」は、嘉瀬会長が燕三条青年会議所の理事長だった08年、燕三条青年会議所主催でスタートし、12年の第5回から燕三条青年会議所OBを中心に組織する実行委員会の主催に代わった。
寺100は本来、1年早くスタートする計画だった。前年の燕三条青年会議所理事長、小林吾郎元理事長のもとで寺100の事業化を進めていたが、小学生が本当に100km歩けるのか、安全性を確保できるのかといった心配から道半ばで事業を取り下げた経緯がある。
一方、小林元理事長の下で監事を務めた嘉瀬会長は、その年で燕三条青年会議所を退会するつもりだったが、理事長に就いて寺100を事業化してほしいとの声を受け、それならばと引き受けた。
この10年で参加した小学生が今度は学生スタッフとして寺100に戻ってくる循環も生まれた。「皆さんとともにやってこれたこの10周年にあらためて感謝申し上げるとともに、これからまた10年、そして20年と皆さんとともにこの思いをつないで、この地域の人づくりをともにやっていきたいという、そんな決意の場となればうれしい」と嘉瀬会長は頭を下げた。
来賓祝辞で国定勇人三条市長、鈴木力燕市長のメッセージを山田公一学校教育課長が代読、小林豊彦弥彦村長のあと協賛企業などに対する感謝状を贈呈した。感謝状を受けた企業を代表で、株式会社中央製版代表取締役として小林元理事長は「嘉瀬一洋がやったからこそ、この10周年を迎えられたと思う。そうすると僕は失敗して良かったなと。せめて踏み台くらいにはなれたかな」と話した。
同じく感謝状を受けた、つくし路100km徒歩の旅の梶原日出男会長は、記念式典開式後に自身がつくった100km徒歩の旅の綱領と心得が唱和されたことにふれ、「これがわたくしのものだけじゃなく、本当にもう全国各地で100kmをされてる人たちのものになった。もう涙が出てきそうだった」と話した。このあとの第2部も梶原会長が「100kmの原点と、その先の目指すもの」をテーマに10周年基調講演を行った。