新潟の冬の味覚、西洋ナシ「ル レクチエ」の販売が22日、解禁される。その前日21日、県内有数の「ル レクチエ」産地、三条市大島地区でも出荷が始まり、年末まで約1カ月余りの短い出荷シーズンの繁忙期を迎える。
「ル レクチエ」は、県内産ナシの締めくくり。きれいな山吹色の外観と上品な香り、白い果肉はとろけるようななめらかな食感と濃厚な甘みが特徴の西洋ナシの高級品種。
収穫後も温度管理や湿度調節など手間暇かけて約40日間、追熟があって初めて出荷となる。「ル レクチエ」の生産量は、本県が全体の約8割を占めており、新潟の名産品にと、新潟県が解禁日をもうけている。
クリスマスや歳暮の贈答用に使われることが多く、12月初めころからから中旬ころが出荷のピークだ。
出荷初日の21日午前、三条市・大島選果場には、果樹生産者でつくる大島園芸振興協議会の西洋なし部会(渡辺康弘部会長)の生産者が、箱詰めした「ル レクチエ」を持ち込んだ。
同部会では、確かな品質で消費者に届けようと、部会員がJAにいがた南蒲職員とともに毎日、検査をしてから出荷する。この日も化粧箱のふたを1箱ずつ開け、形や汚れ、病気がないか、規格に合っているかなどをていねいにチェックした。
渡辺部会長はの話では、ことしは気温が上がらず、日照時間が少なかったため、夏野菜の不作や果実の糖度不足が見られた。しかし涼しい夏を好む「ル レクチエ」には逆に適していたようで、渋みが少なくて太りもよく、豊作。「ル レクチエ」にとってはいい年だったと言う。
今シーズン、同選果場では昨年より10トン多い100トンの出荷を見込む。初日は0.8トンが持ち込まれ、県内と東京の市場へと出荷。翌22日に市場で競りにかけられて店頭に並ぶ。