官公庁仕事始めの4日、三条市の国定勇人市長が市役所で年頭のあいさつを行った。「私」ではなく「市長」の任期最後の年のことしは、「皆さんに責任を求めます」と述べ、すべての職員にリーダーとマネジャーの2つの役割を意識して業務に臨んでほしいと求めた。
3期目の市長の任期は、11月11日で満了する。国定市長は、主語は「私」ではなく、「市長」と思って聞いてほしいとし、3期目の最終年のことから「任期4年をしっかりと見つめ直して、やり残したことをしっかりとやり遂げ、11月後の選挙によって選ばれた新しい市長にバトンタッチをする。これは個人的な話に戻るが、私自身1期目から2期目、2期目から3期目と同じく心がけてきた」と述べた。
三条市が持続可能な形で発展していくため、任期ごとにしっかりとけじめをつけて総合計画をはじめ4年間のなかでやらなければならないと組織をあげて覚悟を決めてこの1年、臨むよう求めた。
仕事は役職にかかわらず、リーダーとマネジャーの2つの役割で構成され、それぞれ本質を一言で言えば「Do the right thing」と「Do things right」。訳すと「正しいことをする」と「物事を正しくする」の違いと言われていることに共感し、「リーダー的な考え方とマネジャー的な考え方によって、どの職にかかわらず、われわれ自身は常に2つの要素に支配されていると考えてもらいたい」。
マネジャーは「物事を正しくする」。ビジョンや方向性が示されたなかで、自分は何をそのゴールに向かってしなくてはならないか。時間、人、自分自身の管理をしながら目標に突き進んでいく。市長、副市長、教育長という立場も主事、主任も等しく、この気質をもっていなくてはならず、市長の任期最終年度の三条市では、組織全体としてはマネジャーの部分が多くを占めるので、心がけるよう求めた。
しかし、すべての職員がマネジャー的な仕事に徹すると次の時代を生む出せない。どんなにマネジャーの仕事が多く占めても大切なのはリーダーとしての仕事で、リーダーとは「正しいことをする」こと。正しさの判断は難しいが、自分の思いを能力の限り考え抜き、その結果、これこそが突き進むべき道なんだ、それが「正しいこと」と思わないと進まない。
自身は職責上、リーダーとしての部分が支配される領域が強いが、これは役職にかかわらず等しくもちあわせなければならない。総合計画が指し示する道は漠然、茫洋としているが、具体的な道しるべを打ち立てるのもリーダーの仕事。開拓しなけければならない道の方向性は一度、決まった層があればすべて決まるのではなく、この層が決まったら次はどういう層を進むのか、与えられた仕事、マネジャー的な仕事のひとつひとつのなかにもリーダー的な判断を要さなければいけない場面はたくさんある。
「リーダー的資質、リーダー的判断をすべての職員がしていくことこそが、三条市の組織力の強化につながり、三条市役所品質が求めていく結果としての柔軟性のある組織につながっていく。その総合力が三条市というまちの力をさらに高みにあげていくことにつながっていくと思うし、持続可能な三条市をあらためて手にできる大切な要素だと思う」の考えを示した。
最後に「ことしは皆さんに責任を求める。責任を果たすためにはすべての職員にリーダーとマネジャーとしての役割を意識していただき、ひとつひとつの仕事に臨んでいただきたい」と15分間のあいさつで、新しい年をスタートした。