学問の神、菅原道真の命日の2月25日に向けて学業成就や合格祈願を込めて備える燕市名産の天神講菓子。昨年までは2月に入ってから販売されていたが、燕市国上の道の駅国上では要望に応えて6日から21日まで、初めて1月から販売。13、14の2日間行われる大学入試センター試験の合格祈願に間に合い、最後の神頼み需要に期待している。
天神とも呼ばれる道真の命日に合わせた天神講は各地に残っており、燕市は床の間に道真が描かれた掛け軸を飾り、道真や縁起物をかたどった菓子を備える行事が行われてきた。この菓子はほかの地方ではほとんど見られないが、燕市内では全域で粉菓子、砂糖を溶かして作る金花糖は吉田地区と分水地区の菓子店で作り続けてられている。
鈴木力市長が市長に就任して以来、天神講菓子のPRに力を入れている。それまで天神講菓子の存在は市外ではほとんど知られていなかったが、取り組みが功を奏して今では県内でも知られるようになってきた。
道の駅国上は毎年、天神講菓子展を開いて販売も行っており、ことしで7年目になる。菓子店が天神講を作るのは2月に入ってからで、短い期間の季節商品だが、合格祈願にと買い求める人が多い。しかし高校受験にはタイムリーでも、大学受験にはぎりぎりのタイミングで、1月に行われるセンター試験には間に合わない。せっかくの需要期を逃していたし、センター試験前にほしいという声が多かったことから、満を持してことしは1月からの販売に踏み切った。
品ぞろえは菓子店しだい。菓子店にとっては昔から天神講菓子は2月に入ってから作る物という固定観念があり、以前は1月からの製造には消極的だった。2、3店でも話にのってくれればと天神講菓子を作っている菓子店に声をかけたところ、そのほとんどの8店が19種類の天神講菓子を出してくれた。2月の天神講菓子展に見劣りしない充実した品ぞろえになったのはうれしい誤算だ。
天神をかたどった菓子が600円前後、天神と縁起物がセットになった金花糖、縁起物の粉菓子、味にこだわるなら生菓子もある。ほかにも合格祈願米(300グラム入り300円)、酒呑童子絵馬(500円)も販売。合格祈願米は地元渡部地内にある菅原神社で祈とうした燕市産ブランド米「飛燕舞」。酒呑童子絵馬は分水に生まれた鬼「酒呑童子(しゅてんどうじ)」の力で所願成就を願う道の駅国上裏手の神社の札付き絵馬だ。
また、燕市国上地区のマンホールのふたがデザインされた燕市のマンホールカードを道の駅国上で無料配布しているが、マンホールのふたは「落ちない」、「滑らない」とう縁起を担いでマンホールのふたの実物も展示する。
初めての1月の天神講菓子販売の評判をみて、今後は通年販売も検討している。