燕三条市実現に三条市長は燕三条JCにリーダーとしての役割を、燕市長は急がないのが早い道 (2018.1.10)

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一般社団法人燕三条青年会議所(本間隆之理事長・会員80人)は9日、三条市・餞心亭おゝ乃で賀詞交換会を開いた。来賓に三条市と燕市の市長をはじめ、各種団体代表を迎え、会員と合わせて約100人が出席。新年を祝うとともに1月からの新年度をスタートした。

燕三条青年会議所の賀詞交換会であいさつする本間理事長
燕三条青年会議所の賀詞交換会であいさつする本間理事長

本間理事長はあいさつで、燕市に生まれて今は三条市に住み、子どものころは「毎日、市の境界線を気にせずにこの地域で生活してきた」と話した。大学進学で上京後、Uターンしてから初めて「燕三条地域に非常に魅力あるクールなものづくりをするまち」と思い、「このまちを誇りに思った」。

昨年、総合戦略にのっとって燕三条市実現を目指すとしたが、「われわれが声高で叫ぶだけではまったく進まない。われわれが考えるこのまちの未来はどういうものなのか。きちっと提示したうえで、ていねいに市民の皆さま方にお伝えしたい」と燕三条市実現に向けた取り組みの姿勢を示した。

来賓で出席の予定だった弥彦村の小林豊彦村長は、急用のため欠席。市議会の出席は三条市議会だけ、商工会議所会頭の出席は三条商工会議所だけと、来賓は三条に偏った形になった。昨年からのご当地ナンバー「燕三条ナンバー」実現の取り組みでは、両市の温度差があらわになった。

来賓のあいさつでも合併に向けてざっくりとアクセルを踏む国定勇人三条市長に対し、ブレーキを踏む鈴木力燕市長といった構図になった。両市長のあいさつの骨子を掲載する。

国定三条市長

この1月1日から皆さま方も十分、ご案内の通りかと思いますけれども新潟日報の一面に「燕三条町工場物語」という連載記事が始まりました。これはこれで本当に素晴らしいことなわけですけれども、私が密かに隔世の感があると思いながら感動に打ちひしがれているのが、県内の新聞にもかかわらず「燕三条」という言葉を堂々と使っているとことに、実は私は感銘を受けておりまして、恥ずかしながら私が就任したもうかれこれ11年以上前になりますが、その当時は生の言葉で「燕三条」という言葉を使うというのは、ほぼタブーでありました。

国定三条市長
国定三条市長

行政、多分、今、新潟県の行政用語もいまだにそうだと思うんですけれども「三条・燕」か「燕・三条」か、という状態でありますし、かつての郵政省と通産省がVAN戦争という、どっちがインターネットの所管をもつのかということで大戦争を繰り広げたときがあって、当時はですね、情報通信という言葉を当たり前のように使うことができなかった時代が10年近くあったんですね。

そのときはどういう漢字の書き方だったかというと、「情報・通信」っていうふうになっていて、「情報」は通産省所管です。「・」以降の「通信」は郵政省所管ですっていう分け方だったわけですが、まったくナンセンスな意味のない用語の分け方をずっとしてきたわけですが、この10年間を経て県外では「燕三条」という言葉をふつうに使うことは、これはもう、受け手の当たり前な論理ですから、あまり驚きもしませんけれども、まさにさまざまな感情が飛び交っているこの県内の県内紙において、「燕三条」という言葉が生の言葉で踊り続けているということは、本当に皆さんが多分、思っている以上にこれは意外なことなわけであります。とりわけ10年前、20年前に話を遡りますと、本当に当時であれば考えもつかないようなことだということであります。

ではこの燕三条という、今は皆さま方にとっては、まったく当たり前になっているこの用語が、なぜ定着したのかと言うと、おそらく20年前の先人がこの青年会議所を燕と三条を統合して燕三条と言うひとつの組織にしようというところから始まっているのではないかと勝手に推察をするわけであります。

ここは非常に大きなポイントでありまして、ことしの年頭のあいさつでも、あるいは毎年毎年の中学生の生徒会の役員さんに1泊2日の勇志塾という塾を開いているのですが、毎年の基調講演を私が仰せつかっているなかで毎年、申し上げているわけでありますけれども、仕事の役割、あるいは人間の役割と言うのは大きく分けてリーダーとしての役割とマネージャーとしての役割がある。

このリーダーとは何か、マネージャーとは何か。これは役職ではないんです。人の心得として組織の心がけとしてリーダーとしての役割は何か、マネージャーとしての役割は何かということを長い間ずっと分析をし続け、いまだにちゃんとした解はでていないわけですが、名前は忘れてしまいましたけれども、ある経営学者が定義づけたところによるとリーダーとは何かと言うと「Do the right thing」、他方でマネージャーとは何かと言ったら「Do things right」という言葉なんだということですね。これってほんとに実は同じような単語の並べ方なんですけどまったく違うわけで、マネージャーというのは、「Do things right」ですから「物事を正しくする」。これがマネージャーとしての性格であり、仕事の内容です。

賀詞交換会
賀詞交換会

他方でリーダーとは何かと言ったら「Do the right thing」ですから「正しいことをする」というのがリーダーの仕事なんだ。つまり正しいことっていうのは誰も決められないわけです。でもこれだっていうふうに思って指をさしてこっち側に行くんだというふうに決めるのが正しいこと、つまりリーダーの職責であるということであります。

燕三条青年会議所はこのリーダーとしての役割とマネージャーとしての役割、どっちを取るんでしょうかということです。少なくとも20年前に皆さま方の先輩は紛れもなくリーダーとしての道を取ったんだと思います。当時、燕三条という言葉を当たり前の言葉のように使うことができなかったあの時代に「俺たちが進む道は燕三条だ」というふうに高いところから指をさして方向性を指し示した。これがリーダーとしての務めだと思っております。

少なくとも私個人は燕三条青年会議所にこのリーダーとしての性格を期待をしております。でも、リーダーと言うのはリーダーとして力を発揮するためだけに乗り越えなければいけない壁があります。それは同じく他の経営学者がリーダーと本質ということを分析しているなかに、ダンスホール理論というのがあります。

リーダーというのはこのダンスホールの中でどういう立ち回りをしなければいけないかと言うと、同じダンスホールの中であれやこれやということを指図するのがリーダーの役割ではないと言うふうにその経営学者は言っております。ではどこに上がるのかというと、キャットウォークにある。キャットウォークに上がって俺たちが示すそこの空間に人は行け。そういうふうに指し示しながらダンスパーティーを円滑に進めて行く。つまり大きなディレクションを施すのがリーダーとしての仕事なわけです。でも、ダンスホールのキャットウォークに上がる人はそれなりにリスクがあります。ダンスホールに参加しているすべての人から銃で撃たれる可能性があるからです。

リーダーというのは、ジャングルの開拓をするときに誰よりも高い木の上に登って出口はこっちだというふうに指図をしなければいけないのがリーダーです。先ほども申し上げました通り、すべての人たちが銃を持っているかもしれないダンスホールで上に上がって正しい方向はこっちだと言うふうに指し示す勇気ののある人がリーダーです。道は皆さんが開かなければいけません。指し示す方向を打ち出した瞬間に多くの人から非難を受けるかもしれません。それでも粘り強くその指し示す方向に向かって多くの人を巻き込んで、多くの人を巻き込むことができなくても自分だけが進むと言うだけの覚悟を持って突き進むこと。これが私はリーダーに課せられた職責だと思っておりますし、私自身もそうあらねばならぬというふうに思いながらこの11年過ごしてまいりました。どうか燕三条青年会議所の皆さま方にはマネージャーとしての資質は十分、皆さんには備わっていると思いますので、ぜひとも会員個人個人としても、そして燕三条青年会議所全体としても、リーダーとしての役割をあらためて自認をしていただき、このまちの進むべき方向はこっちだということを引き続き高らかに宣言をしつつ、多くの人を巻き込んで行っていただきたいと思います。

成功者は、成功するまで続けて初めて成功者になります。皆さま方のこの1年のますますの活動が発展、そして成功裏に終わりますことをご祈念を申し上げる。

鈴木燕市長

さて、さきほど新本間理事長さんから、夢と言いますか、ビジョンを聞かせていただきました。そして今、国定三条市長さんからも皆さんに対する熱いエールと言いましょうか、メッセージを述べていただいたと言うことでございますけれど、私自身もこの燕三条地域が世界の冠たるものづくりのまちとして連携しながら、一緒になって取り組んでいくこのこと自体は大いに共感することでございますし、現に今、三条市長さんと一緒にいろんな取り組みをさせていただいている、これは間違いのない事実だろうと思います。

鈴木燕市長
鈴木燕市長

ただ、そのいい友だち関係でいるということと、結婚をするっていうのはなかなか難しいということでございます。これは十数年前に旧燕市時代に選んだ結論。そしてその後、分水、吉田の人たちと結婚して新たな燕市として新居も構えながら新しい生活をしている燕市の事情は、なかなかいい友だち関係で三条市さんといくということはあっても、結婚ということになりますと、なかなかやっぱり市民の感情はそこまで至ってない。これもまた事実なんだろうと思います。

ですから私は将来性的な可能性は否定するつもりはありません。まさに皆さま方が、これからもずっと高い志の下で取り組んでいく、その先にいつかそれが実現することがあるのかもしれないと、そんなふうに思っている所でございますけれど、ただ、私の立場からですね、ぜひアドバイスをさせていただくとすれば、あまり急がずにやはりしっかりと将来を見据えながらも、急がずに地道に地道に取り組んでいくこと。それが結果的に早い道になるのではないか。そんなふうに私自身が思っているところでございます。

これは理屈とか理論とかいう問題ではなくて、よく言われるように気質の違いと言われますけれども心、感情に起因するところが大きいんじゃないかなと思いますので、人の心を変えていく、そういう方向にもっていくというのは、相当なエネルギーと言いましょうか、お互いがそういう気持ちを共有するというところまでもっていくことがないと、なかなか実現しないんだろうと。いかに世の中の人はこう見ているとかですね、こうあるべきだと説いたりですね、人の気持ちをすべて変えるということはなかなか難しいのかなと。ですから一緒になってやりたいとなることが、本当にお互いの幸せになるのかな、結婚してもいいな、友だち関係から結婚する関係に進みたいなと、そういうふうに心を溶かすと言いますか、心を変えていくためには、いろんなことをやっぱりまだまだやっていく必要があるんだろうと。

それには時間がかかるかもしれません。ですからぜひそういった問題だということもしっかりと見据えながら高い目標に向かってこれからも努力していっていただければなというふうに思います。私も皆さんの活動については温かい目で見守っていければと思っています。

いずにいたしましてもこの地域が、本日ご列席の皆さま方にもそれぞれの組織に所属していると思いますけれども、そういった中で、まさに仲良く手を取り合って良いまちに地域全体として行こうと、それだけは私は真実だと思いますのでこれからもそういった取り組みをぜひ続けていってもらいたいと思いますし、そういった面ではすごく燕市としても全面的に協力をしていければと言うふうに思っております。

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