三条商工会議所(兼古耕一会頭・会員約2,200事業所)は15日、三条市のジオ・ワールド・ビップで年頭にあたってことしも「会員新春の集い」を開き、来賓や会員約480人が出席して、新しい年をスタートした。
会場は45の円卓が並び、ことしも三条の経済人などでぎっしり埋まった。ステージには「市民と感動を共有し 笑顔と感謝で共に成長しよう」のスローガンを掲げ、兼古会頭が年頭のあいさつを行った。
前週後半の大雪で大きな影響があったにもかかわらず480人もが参加したことに感謝し、それは三条商工会議所への期待感の現れとした。
国内経済は幅広い業種で人手不足が顕在化し、賃金の上昇にも影響。人材確保や省力機械の導入など生産性向上への対応も急務となっている。構造問題として経営者の高齢化、少子化による人口減少と企業数の減少は地方経済の疲弊とつながり、後継者の問題にも関係し、地域の経営者の悩みやは尽きない。
このような状況で働いている社員は、今まで以上に重要で貴重な存在。仕事と生活の調和を図るワークライフバランスの研究を図り、女性や高齢者、外国人といった多様な人材活用を検討する時代を迎えている。商工会議所は生産性向上なども支援して地域を担う次世代の人材を育てる環境づくりにも取り組み、第二創業や新規創業に向けた挑戦への支援もしていく。
自動車業界はエンジンから電動モーターへと100年に1度といわれる大きな変化が進行し、部品点数は40%から半減するとの予測もある。金属加工業を中核とするこの地域への影響は大きいと思われるが、「この変化においても早めに対応し、逆にチャンスとできるかどうかは、われわれ経営者自身の意識の問題であると考える。その意識を変えながらどう対応するか。変化に関する情報収集も商工会議所として務めていく」。
県紙に連載された「燕三条町工場物語」にもあったように、燕三条地区の地場産業は転換を繰り返して生き残ってきた。日立市や豊田市のような企業城下町ではないが、幅の広い歴史ある産業集積地域で、民間の力こそ継続的な成長の原動力とし、「意識こそ実態なりという言葉があるが、固定概念にとらわれず、われわれ自身の意識改革によって状況を変えてまいりたい」。
ことしも全国515の商工会議所など、多くのネットワークを活用し、「会員の皆さまとともに成長、進化できますよう努力してまいりたい」と述べた。
続いて、来賓の高井盛雄新潟県副知事、菊田真紀子衆議院議員、国定勇人三条市長が祝辞を述べた。チェロとピアノの演奏のアトラクションのあと、武石栄二三条市議会議長の発声による乾杯で交流懇親会に移った。