三条市立西鱈田小学校(前田綾子校長・児童203人)とPTA、地域コミュニティ「ほんじょうじほなみコミュニティ」(内山重信会長)は14日、西鱈田小で恒例の小正月行事「さいの神まつり」を開き、児童親子や地域の人たち約500人が参加して、燃え上がる炎に習字の上達や1年の健康と安全を願った。
同校のさいの神は、1986年にPTAが主体となって毎年、行っている地域の冬の風物詩。雪で覆われたグラウンドには、高さ5メートル以上の大きなさいの神を中央に設置し、それより小さ目の約2mが3基の計4基のさいの神が並んだ。
ほんじょうじほなみコミュニティの会員が、前日に近くの長嶺の山から切り出した60本のタケを使って骨組みを作った。午前中に5、6年生が同コミュニティの会員やPTAの指導を受けて、わらを編んで作った「トバ」を巻きつけ、全校児童が始業式の日に書いた書初めをはさみ込んだ。
「もぐら追いの歌」を歌ってから火を放つと、めらめらと燃え上がり、児童の書き初めも青空高く昇っていった。さいの神を囲んだ参加者は大きくなる炎を見つめ、「健康でいられますように」、「字が上手になりますように」と願った。
火の勢いが収まったところで、いっせいにタケの棒の先につけたスルメをあぶった。スルメは同校教諭やPTAがこの日の朝から針金で棒に取り付ける作業を行い、500本を用意した。香ばしい匂いがしてくると、「おいしい!」、「それ焼きすぎ」、「あっち〜」と、子どももおとなも笑顔で縁起物を味わった。
3月は卒業を迎える6年生児童は、「スルメはことしこそ焦がさないように気をつけた」と言い、「6年間、最後のさいの神も楽しく終えることができてよかった」と話していた。