三条ものづくり学校で「書体の一日学校」 ドイツ・モノタイプ社のタイプディレクター小林章さんのトークショーも (2018.1.26)

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文字の入り口から奥深いところまで楽しみながら体験する「書体の一日学校」が27、28の2日間、三条ものづくり学校で開かれる。ドイツ・モノタイプ社のタイプディレクター小林章さんのトークショー、活版印刷やクッキー型作りなどのワークショップを行うので、デザインや活版印刷に興味のある学生や一般にも来場を呼びかけている。

「書体の一日学校」を三条ものづくり学校と共催する活版工房KOULE TYPEの吉沢さん
「書体の一日学校」を三条ものづくり学校と共催する活版工房KOULE TYPEの吉沢さん

活版工房KOULE TYPE(こうらたいぷ)=新潟市南区・吉沢加也さん=と三条ものづくり学校が共催。2日間ともワークショップが行われるほか、28日は午後1時から6時までトークショー&活版実演が行われる。あわせて書籍や活字の販売、東京でも見られる機会がめったにない大日本印刷株式会社所有の資料展示も行う。

トークショー&活版印刷は、小林さんが、欧文書体のことをわかりやすく話す。後半では、First Universal Pressの溪山丈介さんが活版印刷の実演を行ない、活字を拾い、組版、印刷という流れを通して、文字の空きや行間によって文章がどう変わるか、小林さんの解説を聞きながら考えていく。

小林さんは新潟市出身。欧文書体の国際コンペティションで2度のグランプリを獲得して2001年にドイツ移住。著名な書体デザイナーのヘルマン・ツァップ氏やアドリアン・フルティガー氏と共同で書体開発をしたのち、ソニーやUBS銀行などの企業制定書体も開発。欧米やアジアを中心に講演やワークショップを行うほか、世界的なコンテストの審査員も務める。

溪山さんは12年、書籍専門の活版印刷所だった内外文字印刷の解散に伴って独立。浅草でFIRST UNIVERSAL PRESSを設立し、活版での本文組版、印刷を引き継ぐ。浅葉克己氏装丁「文字禍」本文印刷担当、一般社団法人日本印刷産業連合会会長賞を受賞。3月25日まで東京オペラシティで開かれている谷川俊太郎展の詩やメーンビジュアルの印刷も行った。

ワークショップで作成する木活字印刷の作例
ワークショップで作成する木活字印刷の作例

小林さんの話を地方で聴ける貴重な機会だ。主催の吉沢さんが、文字を楽しむインベントをと企画し、活版印刷を通じて知り合った溪山さんにも参加協力など相談をしていたところ、溪山さんを通じて小林さんの参加も決まった。すでに2回目も計画が進行中という。

トークショーの申し込みは、デザインや印刷関係の仕事をしている人などから定員に近い申し込みを受けているが、吉沢さんは新潟造形大学どデザインを学ぶ学生の参加に期待。「小林さんから『楽しみましょう』というメッセージをもらっている」と言い、ワークショップの体験などから、子どもたちなど一般の人にも文字を楽しむ入り口になってもらえたらと参加を呼びかけている。

参加費は、トークショー&活版実演は、学生1,500円、一般2,500円でコーヒー付き。ワークショップは、THE COFFEE TABLE オリジナル書体で作るABCの「クッキー型作り」800円、布バッグに好きな文字を選んで印刷する「木活字印刷」が1文字500円、1行700円など。

いずれも当日の申し込みも可能だが、トークショーとクッキー型作りは、定員になったら締め切り、事前の申し込みを優先する。申し込みは書体の一日学校のサイト内の申し込みフォームで。

入場は無料。27日は午後1時から5時まで。28日は午前11時から午後6時まで。当日は駐車場の混雑が予想されるため、三条市民プールの駐車場が利用できる。

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