寒波の影響で28日、新潟市西蒲区にある新潟市の巻浄水場が施設能力を超える使用量が見込まれたため、新潟市水道局では予防的措置として新潟市の給水車をはじめ県内自治体の給水車にも応援を要請して巻浄水場へ給水を行った。
巻浄水場は旧巻町、旧岩室村、旧西川町に水道水を供給している。新潟市内には6つの浄水場があるが、巻浄水場以外の浄水場は相互連絡管が設置されて水道水を融通できる仕組みがあるが、巻浄水場には相互連絡管が接続されていない。
巻浄水場の施設能力は日量2万3000トンだが、28日はそれを1割以上も上回る2万5800トンの利用が予想された。巻浄水場で作られた水道水は、いったん3カ所の配水場に貯めてから配水されるため、施設能力を超えても配水場に水があるうちは給水を継続できる。
しかし、施設能力を超える利用が続けばいずれ配水池の水もなくなってしまうことから、予防的措置として給水車による巻浄水場への給水を行った。
利用した給水車は、新潟市の6台をはじめ、県央地域の三条市、燕市、加茂市、弥彦村を含め、新発田市、村上市、五泉市、長岡市、小千谷市、南魚沼市、柏崎市。自治体以外にも応援協定を結ぶ麒麟山酒造株式会社(阿賀町)の応援も要請し、計20台の給水車で給水した。
応援の給水車は、新潟市南区にある戸頭(とがしら)浄水場で水を積んでは巻浄水場へ運んで給水する作業を繰り返すピストン輸送を行った。戸頭浄水場に給水車が集中して行列にならないように新潟市の給水車は市内の消火栓の水から取水して同じようにピストン輸送した。翌29日も朝から同じ体制で給水作業を行うことを決め、引き続き応援も要請した。
市水道局では、水道の使用量が増えた理由について、寒波の影響で水道管の凍結防止のため少量の水を出しておく家庭が増えたこと、28日は冷え込みが緩んで凍結で破裂していた水道管の氷が解けて漏水が発生したこと、加えて融雪に水道水を利用する人が増えたことなどと見ている。
給水作業の一方で広報車で旧巻町を巡回し、融雪に水道水を利用しないことなど節水を呼びかけた。
今後の水道水使用量の見通しはまったくない。市水道局では、断水が差し迫ってきた場合の配水ポンプの水圧を下げる対応も視野に入れているが、断水しないよう最善の努力をしており、市民に節水の協力を呼びかけている。